プレスリリース
ORENCIA®とメトトレキサートの併用療法を受けた
関節びらんを有する早期関節リウマチ患者では、DAS28(CRP)で定義される寛解を達成する患者の割合がMTX単剤療法よりも高いという試験結果が発表
2008/11/13
-第III相試験では、これらの患者でORENCIA®とメトトレキサートを併用すると関節破壊進行が少ないことが画像診断で判明-
本資料は、米国ブリストル・マイヤーズ スクイブ社が10月27日に発表しましたプレスリリースの日本語訳(抜粋)をご参考までにお届けするものです。内容につきましては原本である英文が優先します。
ブリストル・マイヤーズ スクイブ社(NYSE:BMY/本社:アメリカ・ニューヨーク/CEO:ジェームズ・M・コーネリアス)は10月27日、過去にメトトレキサート(MTX)による治療を受けたことがない中等度から重度の関節びらんを有する早期関節リウマチ(RA)成人患者における第IIIb相試験の結果を発表しました。
この試験により、ORENCIAR(一般名:アバタセプト)とMTXを併用すると、C反応性タンパクを用いた疾患活動性スコア[DAS28 (CRP)]で定義される寛解を達成する患者の割合がMTXとプラセボを併用した場合よりも有意に高い(ORENCIAR群41.4%に対しプラセボ群23.3%、p,< 0.001)ことが認められました。MTXと併用したORENCIARの安全性は、MTXとプラセボの併用の場合と同程度でした。これらのデータは、サンフランシスコで開催された米国リウマチ学会(ACR:American College of Rheumatology)年次学術会議で本日発表されました。
この無作為化二重盲検第IIIb相試験は、中等度から重度のRAを発症して平均7ヵ月の関節びらんを有する患者を対象として行われました。さらに、対象者はすべてリウマチ因子(RF)または抗環状シトルリン化ペプチド(抗CCP)抗体が陽性であり、RAの予後不良が予測されました。
治験責任医師を務めたベルギーのルーヴェン・カトリック大学リウマチ科のルネ・ウェストーヴェン博士(M.D.、Ph.D.)は、次のように述べています。「関節リウマチの早期に関節破壊と特定のバイオマーカー、特に抗CCP抗体が見られる場合、予後不良であることを示しています。この患者群を効果的に治療するには、疾病進行の早期に重要な影響を与える治療法を見出すことが極めて重要です」。
リウマチ専門医であり、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社グローバル開発・医療部門上級副社長を務めるブライアン・ダニエルズは、次のように述べています。「ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は、関節リウマチの患者さんのために、治療オプションの進歩を目指して取り組んでいます。これらの結果から、関節びらんを有する早期RA患者さんの治療におけるORENCIARとその有用性について重要な洞察が得られました」。
試験計画および結果
試験では、RF陽性(96%)、抗CCP抗体陽性(92%)、あるいはRF、抗CCP抗体ともに陽性(89%)であり、手、手首、または足の関節にびらんが見られるMTX未治療の関節びらんを有する早期RA患者509人をORENCIARとMTXの併用(n=256)、またはMTXとプラセボの併用(すなわちMTX単剤、n=253)のどちらかに無作為に割り付けました。ORENCIARは、体重別固定用量として、体重1 kgあたり約10 mgの用量が投与され、MTXは、1週間あたり7.5 mgから開始して、8週目までに1週間あたり20 mgまで漸増されました。1年目の時点におけるMTXの平均投与量はORENCIAR+MTX併用群で18.1 mg/週、MTX単剤群で19.0 mg/週でした。
この試験の主要評価項目は、DAS28(CRP)で定義される寛解の達成[DAS28(CRP)2.6未満]と、X線画像を使用して1年目の時点の変化を測定するGenant-modified Sharpトータルスコアで評価した関節破壊の進行でした。副次的評価項目は、ACR基準50%改善率、著明な臨床的反応(6ヵ月間連続してACR基準70%改善率を達成することと定義される)を達成した患者の割合が評価されました。安全性については、試験期間全体を通じて評価されました。
ベースライン時における患者の平均罹病期間は6.5ヵ月、DAS28(CRP)の値は6.3でした。1年間をとおして試験に参加した患者の割合は、ORENCIAR+MTX併用群では256人中90.6%、MTX単剤群では253人中89.7%でした。1年目の時点で、DAS28(CRP)で定義される寛解を達成した患者の割合は、ORENCIAR+MTX併用群のほうがMTX単剤群よりも有意に高いことが認めらました(ORENCIAR併用群41.4%に対しMTX単剤群23.3%、p<0.001)。
ACR 50%改善率は、ORENCIAR+MTX併用群のほうがMTX単剤群よりも有意に高いことがわかりました(ORENCIAR+MTX併用群57.4%に対しMTX単剤群42.3%、p< 0.001)。さらに、著明な臨床的反応を達成した患者の割合は、ORENCIAR+MTX併用群とMTX単剤群で有意な差が認められました(ORENCIAR併用群27.3%に対しMTX単剤群11.9%、p < 0.001)。Genant-modified Sharpトータルスコアのベースライン時からの平均変化値は、ORENCIAR+MTX併用群で0.63、MTX単剤群で1.06でした(p=0.04)。
有効性の欠如による中止率は、ORENCIAR+MTX併用群で認められず、MTX単剤群で3.2%でした。有害事象による中止率は、ORENCIAR+MTX併用群で3.1%、MTX単剤群で4.3%でした。重篤な有害事象の発現率は、ORENCIAR+MTX併用群で7.8%、MTX単剤群で7.9%でした。有害事象の発現率は、ORENCIAR+MTX併用群で84.8%、MTX単剤群で83.4%でした。重篤な感染症は、ORENCIAR+MTX併用群で5人(2%)、MTX単剤群で5人(2%)に発現しました。注入に伴う急性反応は、大部分が軽度または中等度であり、ORENCIAR+MTX併用群で16人(6.3%)、MTX単剤群で5人(2%)に発現しました。ORENCIAR+MTX併用群の1例に悪性腫瘍が報告されましたが、治験医師により、治験薬との関連性はないと判断されました。
アバタセプトは日本で、関節リウマチ治療薬として製造販売承認申請中です。詳細は、ブリストル・マイヤーズのウェブサイトwww.bms.co.jpをご覧ください。
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