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プレスリリース

ブリストル・マイヤーズ スクイブと小野薬品
抗PD-1抗体[BMS-936558/ONO-4538]および関節リウマチ治療剤[オレンシア®(アバタセプト)]について戦略的提携契約を締結

2011/09/21

ブリストル・マイヤーズ スクイブ社(以下、BMS)と小野薬品工業株式会社(以下、小野薬品)は、抗PD-1抗体であるBMS-936558/ONO-4538の開発・販売についてBMSのテリトリーを拡大すること、および日本においてオレンシア®(一般名:アバタセプト)を共同で開発・販売することについて戦略的な提携契約を締結しましたのでお知らせ致します。

完全ヒト型抗PD-1抗体であるBMS-936558/ONO-4538は、小野薬品と米国メダレックス社の間で2005年5月に締結した共同研究契約の下で創製され、現在、がんを対象に開発が進められている免疫療法剤です。BMSは、2009年にメダレックス社を買収した際に、この抗PD-1抗体を北米において開発・商業化するメダレックス社の権利を取得しました。

今回の契約に基づき、BMS-936558/ONO-4538について、小野薬品はBMSに、北米以外の地域のうち小野薬品が開発および商業化の権利を留保する日本・韓国・台湾を除く全世界において独占的に開発および商業化する権利を供与します。

また、今回の契約に基づき、両社は関節リウマチの治療用の生物製剤であるオレンシア®を日本において共同で開発・販売します。今回の契約は、オレンシア®に関して既に上市済みの静脈内投与製剤(IV)および皮下投与製剤(SC)の両製剤、そして現在および今後獲得する全ての適応症に適用されます。オレンシア® IVは、日本において、BMSの日本子会社であるブリストル・マイヤーズ株式会社(以下、BMKK)によって2010年9月に既存治療で効果不十分な関節リウマチを対象に上市されました。一方、オレンシア® SCは、日本において、現在、第III相臨床試験の段階にあります。

BMKKは、オレンシア® IVの流通を行い、その売上を計上します。小野薬品は、オレンシア® SCの流通を行い、その売上を計上します。両社は、両製剤の販売促進を共同で実施する予定で、小野薬品はBMKKが現在実施中のオレンシア® IVの市販後全例調査が終了(2013年の終了が見込まれています)した後、同剤の販売促進に参画する予定です。

BMSのCEOであるランベルト・アンドレオッティは、「BMSは、この重要な小野薬品との提携により、腫瘍免疫学の領域のリーダーとしての地位を更に強化できることを喜ばしく思っています。真珠数珠繋ぎ戦略を通じてこの抗PD-1抗体の権利を拡大したことで、この素晴らしい新規領域の解明とパイプラインの拡充を続けている中で、この有望ながん免疫療法剤を更に広範囲にグローバルで開発することが可能となります。

更に、我々は、高い評価を得ている日本の会社である小野薬品と共にオレンシア® を日本において患者さんに届けるという重要な任務を継続して遂行できることを非常に喜ばしく思っています。我々は、両社の力を総合することが関節リウマチ患者さんにとって有益であると信じています。」

小野薬品の代表取締役社長の相良 暁は、「今回の提携により、これまでに築いてきたBMSとの信頼関係が、より一層強固なものになったことを喜ばしく思っています。BMS-936558/ONO-4538は癌免疫療法をリードする画期的な化合物です。

今後、当社とBMSは、一日でも早くBMS-936558/ONO-4538を世界で上市できるよう、協力して本剤の開発を進めたいと思います。

一方、日本において提携することとなったオレンシア®は、関節リウマチにおける炎症過程を抑制するという新規作用機序の薬剤です。当社が重要な戦略領域と位置付けている整形外科領域のポートフォリオに、この重要な製品を加えることができたことを大変嬉しく思っております。」と述べています。

 

BMS-936558/ONO-4538について


生体の免疫反応の抑制に関わるPD-1(Programmed cell death 1)は、活性化したT細胞(生体の免疫反応を司るリンパ球のひとつ)の表面に存在しています。腫瘍細胞は、このPD-1に結合することによって、生体の免疫反応を抑制し、生体による攻撃から逃れていることが知れられています。BMS-936558/ONO-4538は、PD-1を標的とする完全ヒト型抗体であり、腫瘍細胞とPD-1の結合を阻害することにより、生体の免疫反応を正常化させることで腫瘍細胞に対する免疫反応が発揮されることが期待されております。
BMS-936558/ONO-4538については、米国においては、腎細胞がんやメラノーマを含めた様々ながん種を対象に第I相および第II相臨床試験が行われており、日本においては小野薬品がメラノーマを対象に第II相臨床試験を準備中です。

 

日本におけるオレンシア®について


関節リウマチは、生体が免疫反応により自己を誤って攻撃することで引き起こされる疾患であり、過剰に産生されたサイトカインによって、関節の炎症が生じることが知られています。オレンシア®は、T細胞を活性化するシグナルを阻害することでサイトカインの分泌を抑制し、その結果、関節の炎症を沈静化します。
オレンシア®の静脈内投与製剤は、50 以上の国で販売されており、日本においては2010年9月に既存治療で効果不十分な関節リウマチを対象に上市されています。

 

BMSについて


BMSは、深刻な病気をもつ患者さんを助けるための革新的な医薬品を発見、開発し、提供することを使命とする世界的なバイオファーマ企業です。詳細については、www.bms.com<米国本社のウェブサイト(英語)>又はツイッターアカウントhttp://twitter.com/bmsnewsをご覧下さい。

 

小野薬品について


小野薬品は、日本の大阪市に本社を置き、特定領域における革新的な医薬品の創製に取り組む研究開発型の製薬企業です。詳細については、www.ono.co.jpをご覧下さい。

オレンシアは、BMS社の登録商標です。