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プレスリリース

KRAS遺伝子変異陰性(野生型)のヒト上皮細胞増殖因子受容体(EGFR)発現切除不能再発大腸がんのファーストライン療法として、FDAがFOLFIRI(イリノテカン塩酸塩水和物、フルオロウラシル、ロイコボリン)との併用でアービタックス®(セツキシマブ)を承認

2012/08/08

本資料は米国ブリストル・マイヤーズ スクイブ社が、7月6日(米国現地時間)に発表した英文プレスリリースを和文抄訳したものです。内容とその解釈については原文である英文が優先しますことご留意ください。国内では海外とは事情が異なることをご留意の上、安全性情報等の詳細は米国オフィシャルサイト(http://www.bms.com/news/press_releases<米国本社のウェブサイト(英語)>)をご覧ください。

  • KRAS野生型切除不能大腸がん(mCRC)のファーストライン療法として、FDAが承認した最初にして唯一のバイオマーカーに基づく治療
  • アービタックスとFOLFIRIの併用は、新たに診断されたmCRCに対して約10年振りに承認された生物学的製剤療法

ニューヨークおよびインディアナポリス-イーライリリー・アンド・カンパニー(NYSE:LLY)とブリストル・マイヤーズ スクイブ社(NYSE:BMY)は本日、アービタックス®(セツキシマブ)と化学療法のFOLFIRI(イリノテカン塩酸塩水和物、フルオロウラシル、ロイコボリン)の併用が、FDA承認の検査で(一般にKRAS野生型として知られる)KRAS遺伝子変異陰性のヒト上皮細胞増殖因子受容体(EGFR)発現切除不能再発大腸がん(mCRC)患者のファーストライン療法として、米国食品医薬品局(FDA)より承認されたことを発表しました。なお、ERBITUX®は、KRAS遺伝子変異陽性の結腸直腸がんの治療薬としては適応されません。また同時に、FDAは、QIAGEN社が開発した初のKRASコンパニオン診断検査であるtherascreen® KRAS診断キットも承認しました。

ブリストル・マイヤーズ スクイブ社グローバル開発・医療部門担当シニア・バイスプレジデントのブライアン・ダニエルズは、「がんは多様な病態を呈する病気であり、すべてのmCRC患者さんを同じと見なしてはならないことがわかっています。本日の承認により、KRAS野生型mCRC患者さんのニーズに対応する多様ながんの治療法を提供することができ、当社の能力が実証されました」と述べています。

新たな適応は、欧州連合(EU)で承認されたセツキシマブを治験薬に使用して米国外で実施された多施設共同の第III相オープンラベル・ランダム化試験であるCRYSTAL試験(Cetuximab combined with iRinotecan in first-line therapY for metaSTatic colorectAL cancer:切除不能再発大腸がんのファーストライン療法においてイリノテカンと併用したセツキシマブ)のデータに基づいています。米国で承認されたアービタックスは、EU承認のセツキシマブと比較して曝露量が約22%高くなっています。これらの薬物動態データを本試験の結果や他の臨床試験データと併せて評価し、KRAS野生型EGFR発現mCRCのファーストライン療法としてFOLFIRIと併用した推奨用量のアービタックスの有効性が確立されました。

本日の承認を受けて、アービタックスは、KRAS野生型腫瘍をターゲットとするmCRC患者群のための最初にして唯一のFDA承認治療薬となります。今回、CRYSTAL試験の成績に基づき承認を受けておりますが、この試験ではセツキシマブとFOLFIRI併用療法(CRYSTALレジメン)とFOLFIRI単独療法を比較しており、無作為割付された全症例において主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)において良い成績が得られています。(CRYSTAL試験ではEU承認セツキシマブを使用)アービタックスの米国添付文書には、infusion reactionに関する黒枠警告が含まれます。臨床試験では、患者の約3%でアービタックス投与時に重篤なinfusion reactionが生じ、1,000例に1例未満で致命的な結果が報告されました。重篤なinfusion reactionが発現した場合、医療専門家は、直ちにアービタックスの注入を中断し、永続的に中止しなければなりません。

CRYSTAL試験でランダム化された患者全体のうち、EU承認セツキシマブ・FOLFIRI併用療法群では、FOLFIRI単独療法と比較してPFSが統計的有意に改善しました(PFS中央値:併用療法群8.9カ月、単独療法群8.1カ月、HR 0.85 [95% CI, 0.74-0.99]、p値=0.0358)。また、各群の全生存期間(OS)中央値は、併用療法群19.6カ月(95% CI:18-21)、単独療法群18.5カ月(95% CI:17-20)であり(HR= 0.88、95% CI: 0.78-1.0)、統計的有意差は認められませんでした。各群の奏効率(ORR)は、併用療法群46%(95% CI:42-50)、単独療法群38%(95% CI:34-42)でした。

KRASサブグループの事後解析では、KRAS野生型患者のPFS中央値は、EU承認セツキシマブ・FOLFIRI併用療法群(n=320)で9.5カ月(95% CI:8.9-11.1)、FOLFIRI単独療法群(n=356)で8.1カ月(95% CI:7.4-9.2)でした(HR= 0.70、95% CI: 0.57-0.86)。また、各群の全生存期間(OS)中央値は、併用療法群23.5カ月(95% CI:21-26)、単独療法群19.5カ月(95% CI:17-21)でした(HR= 0.80、95% CI: 0.67-0.94)。各群の奏効率(ORR)は、併用療法群57%(95% CI:51-62)、単独療法群39%(95% CI:34-44)でした。

KRAS遺伝子変異陽性の腫瘍を有するサブグループでは、有効性のエビデンスは認められませんでした。KRAS遺伝子変異陽性患者のPFS中央値は、EU承認セツキシマブ併用療法群(n=216)で7.5カ月(95% CI:6.7-8.7)、FOLFIRI単独療法群(n=187)で8.2カ月(95% CI:7.4-9.2)でした(HR= 1.13、95% CI: 0.88-1.46)。また、各群の全生存期間(OS)中央値は、併用療法群16.0カ月(95% CI:15-18)、単独療法群16.7カ月(95% CI:15-19)でした(HR =1.04; 95% CI, 0.84-1.29)。各群の奏効率(ORR)は、併用療法群31%(95% CI:25-38)、単独療法群35%(95% CI:28-43)でした。

ベルギー・ルーベンにあるガストゥイスベルク大学病院の内科・消化器腫瘍科教授で、このピボタル試験の治験責任医師を務めたエリック・ファン・カッツエン博士(MD、PhD)は、「CRYSTAL療法を受けたKRAS野生型患者さんの奏効率と全生存期間は、mCRC患者さんのファーストライン療法オプションを検討する上で重要です」と述べています。

CRYSTAL試験において、セツキシマブ・FOLFIRI併用群とFOLFIRI単独療法群の患者さんの10%以上に発現したすべてのグレードの有害事象は、ざ瘡様皮疹(それぞれ86%対13%)、下痢(66%対60%)、好中球減少症(49%対42%)、発疹(44%対4%)、口内炎(31%対19%)、食欲不振(30%対23%)、発熱(26%対14%)、ざ瘡様皮膚炎(26%対1%未満)、皮膚の乾燥(22%対4%)、ざ瘡(14%対0)、爪囲炎(20%対1%未満)、手掌足底発赤知覚不全症候群(19%対4%)、皮膚亀裂(19%対1%)、結膜炎(18%対3%)、消化不良(16%対9%)、体重減少(15%対9%)、そう痒症(14%対3%)、注入に伴う反応(14%対1%未満)でした。米国で承認されているアービタックスは、EU承認のセツキシマブと比較して曝露量が約22%高くなっているため、上記のデータは、この効能効果においてアービタックスで見られる有害事象の発現率および重症度と一致しています。推奨用量の忍容性は、アービタックス追加試験の安全性データによって裏づけられています。

イーライリリー社オンコロジー部門製品開発・メディカルアフェアーズ担当バイスプレジデントのリチャード・ゲイナー博士(MD)は、「CRYSTAL試験データの忍容性とアービタックスに関する他の試験のデータを総合すると、KRAS野生型EGFR発現mCRCの治療におけるアービタックスのベネフィットについて説得力のある一貫したエビデンスが得られました」と述べています。

 

KRAS:アービタックス療法に適した患者を特定するmCRCのバイオマーカー


画期的なCRYSTAL試験のデータ、およびセツキシマブに関するその他の試験のデータによると、mCRCの診断時にKRAS遺伝子の変異の有無を検査し、アービタックス療法に適した患者を特定することが重要です。

米国国立総合がんネットワーク®(NCCN)のがん臨床診療ガイドライン(NCCN Guidelines®、Category 2A)*、および米国臨床腫瘍学会(ASCO)はどちらも、結腸直腸がん患者の転移診断時にKRAS遺伝子検査を行うことを推奨しています。

テキサス大学MDアンダーソンがんセンターのジョン・メンデルゾーン博士(MD)は、「調査結果が一貫して示しているとおり、KRASはmCRCの重要なバイオマーカーであり、この病気のすべての患者さんがKRAS遺伝子変異の有無の検査を受ける必要性が強調されています。1980年に私が同僚と共にこのモノクローナル抗体によるEGF受容体阻害の研究を開始して以来、バイオマーカーに基づくがん治療の分野は大きく進歩しました。このような進歩が実現したことは喜ばしいことであり、アービタックスの成功に関与できたことを光栄に思います」と述べています。

NCCNガイドラインでは、アービタックス(セツキシマブ)をKRAS野生型の進行性または切除不能再発大腸がん*患者のファーストライン療法として、FOLFIRIとの併用で推奨しています(Category 2A)。

2004年に初めて承認されて以来、米国だけで約139,814人の患者さんがアービタックス療法を受けています。

 

CRYSTAL試験について


今回の承認は、ドイツ・ダルムシュタットのMerck KGaA社が資金提供した、多施設共同のmCRC患者における第III相オープンラベル・ランダム化試験であるCRYSTAL試験に基づいています。患者は、ファーストライン療法として、EU承認セツキシマブ・FOLFIRI併用療法群(CRYSTALレジメン)またはFOLFIRI単独療法群のいずれかに1対1の比率でランダムに割り付けられました(n=1,217)。主要評価項目は、ランダム化された患者全員のPFSでした。副次的評価項目は、全生存期間と奏効率でした。CRYSTAL試験は、EUで承認されたセツキシマブを治験薬に使用して米国外で実施されました。アービタックスは、EU承認のセツキシマブと比較して曝露量が約22%高くなっています。これらの薬物動態データを本試験の結果や他の臨床試験データと併せて評価し、KRAS野生型EGFR発現mCRCのファーストライン療法としてFOLFIRIと併用した推奨用量のアービタックスの有効性が確立されました。

治験薬は、疾病が進行するか、あるいは許容できない毒性が発現するまで投与されました。患者の85%は、減量を必要とせず(セツキシマブの最低用量は225 mg/m2以上)、完全な治療レジメンで投与を受けました。

 

切除不能再発大腸がん(mCRC)について


推定では、2012年に新たに143,460例が結腸直腸がん(CRC)と診断され、CRCによる死亡例は51,690例(がん死亡全体の9%)に達する見通しです。結腸直腸がんは、消化器系の一部である結腸または直腸で発現するがんです。切除不能再発大腸がん(mCRC)は、肝臓、肺、腹部の内膜、卵巣など、1つ以上の遠隔器官や組織へ病気が広がった場合に生じます。CRC患者の5人に1人が転移性疾患と診断されます。mCRC患者の5年生存率は12%です。

Colon Cancer Alliance最高経営責任者のアンドリュー・シュピーゲルは、「後期段階で診断を受けた結腸直腸がん患者さんにとって、事態は深刻です。KRASの状態を診断時に把握できれば、患者さん、医師、家族が最善の治療について改めて理解することができます」と述べています。

 

アービタックス®(セツキシマブ)について(米国に関する情報)


アービタックス®(一般名:セツキシマブ)は、正常細胞と腫瘍細胞の表面に発現する上皮増殖因子受容体(EGFR、HER1、c-ErbB-1)と呼ばれる分子構造の機能を阻害するように設計されたモノクローナル抗体(IgG1 Mab)です。in vitro 試験およびin vivo動物実験において、セツキシマブがEGFRに結合することにより、受容体関連のキナーゼのリン酸化と活性化が阻害され、その結果、アポトーシス(細胞死)が誘因されて細胞の成長が阻害され、マトリックスメタロプロテアーゼと血管内皮細胞増殖因子の生成が抑制されることが確認されています。EGFR経由のシグナル伝達によって、KRAS野生型タンパク質が活性化します。しかし、KRAS体細胞変異が活性化している細胞では、突然変異のKRASタンパク質が常に活性化し、EGFR制御とは無関係に出現します。in vitroでは、ERBITUXは、特定タイプのヒト腫瘍に対し、抗体依存性細胞障害(ADCC)の媒介となる可能性があります。in vitro試験およびin vivo動物実験では、セツキシマブがEGFR発現腫瘍細胞の成長と生存を阻害することが確認されています。EGFR発現が見られないヒト腫瘍異種移植片には、セツキシマブの抗腫瘍効果は認められませんでした。

重要な安全性情報および警告を含む米国の処方情報の全文は米国オフィシャルサイト(http://www.bms.com/news/press_releases<米国本社のウェブサイト(英語)>)の当該項目をご覧ください。

  • ※日本における本製品に関する詳しい情報については www.bms.co.jp を参照下さい。
  • ※日本では、2010年3月に、添付文書が改訂され、EGFR 陽性で治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸がんのKRAS野生型患者におけるファーストライン治療薬として使用が可能になりました。また、日本においては、EU承認のセツキシマブが承認されています。

 

ブリストル・マイヤーズ スクイブ社について


ブリストル・マイヤーズ スクイブは、深刻な病気を持つ患者さんを助けるための革新的な医薬品を発見、開発し、提供することを使命とする世界的なバイオファーマ企業です。詳細については、www.bms.com<米国本社のウェブサイト(英語)>、またはツイッター(http://twitter.com/bmsnews)をご覧ください。

 

ブリストル・マイヤーズ スクイブ社の将来予測等に関する記述


本ニュースリリースは、医薬品の研究、開発、および販売について、1995年私募証券訴訟改革法で定義されるところの将来予測に関する記述を含んでいます。そうした将来予測に関する記述は現在の予想に基づくものであり、遅延、転換または変更を来たす内在的リスクと不確実性を伴っており、実際の成果または業績が現在の予想と大きく異なる結果となる可能性があります。将来予測に関するいかなる記述も保証されるものではありません。特に、本リリースで説明した化合物が試験的開発段階から全面的な製品開発段階へ移行する、これらの化合物の臨床試験が規制当局への申請の裏づけとなる、あるいは、これらの化合物が規制当局の承認を受ける、また承認を受けたとしても商業的に確実に成功するという保証はできません。本ニュースリリースの将来予測等に関する記述は、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社の事業に影響を与える不確定要素、特にブリストル・マイヤーズ スクイブ社の2011年12月31日に終了した事業年度通期報告書(Form 10-K)、四半期報告書(Form 10-Q)および当期報告書(Form 8-K)にリスク要因として記されている不確定要素と共に評価されるべきです。ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は、新たな知見、今後の出来事等に因るか否かを問わず、一切の将来予測等に関する記述について、公に更新する義務を負うものではありません。