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プレスリリース

新規経口抗凝固薬
FXa阻害剤「エリキュース®錠」の製造販売承認を取得
ワルファリンに対し、脳卒中発症の抑制と大出血発現率及び
全死亡率の低下で優越性が証明された抗凝固薬

2012/12/25

  • 脳卒中発症の抑制(21%低下)
  • 大出血発現率の低下(31%低下)
  • 全死亡率の低下(11%低下)

ブリストル・マイヤーズ株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長兼CEO:エマニュエル・ブリン)とファイザー株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:梅田一郎)は、両社で共同開発を行いました新規経口抗FXa阻害剤「エリキュース®錠2.5mg/ 5mg」(一般名:アピキサバン、以下、「エリキュース」)に関し、「非弁膜症性心房細動(NVAF)患者における虚血性脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制」の効能・効果で、本日、2012年12月25日(火)付けにてブリストル・マイヤーズ株式会社が製造販売承認を取得しましたので、お知らせいたします。

エリキュースは、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社とファイザー社により共同開発された、活性化血液凝固第X因子(FXa)を可逆的に阻害する経口抗凝固薬です。エリキュースは、外因性及び内因性血液凝固経路の収束点であるFXaを阻害することで、その下流のプロトロンビンからトロンビンへの変換を抑制します。エリキュースは、ワルファリンに対し脳卒中発症の抑制と大出血発現率及び全死亡率の低下で優越性が証明された抗凝固薬です。

今回の日本における非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制の適応でのエリキュースの承認は、2012年11月の欧州連合(EU)と12月のカナダでの承認に続き、世界で3番目となります。

ブリストル・マイヤーズ スクイブのインターコンティネンタル地域・日本担当執行副社長兼最高財務責任者チャールズ・バンクロフトは、「本日のエリキュース承認は、当社とファイザー社が、非弁膜症性心房細動の患者さんに脳卒中発症抑制の新たな治療オプションをもたらすというビジョンを共有した結果、実現したものです。私たちはエリキュースの臨床プロファイルを信頼しており、この重要な薬剤を日本の患者さんの元にお届けするのを楽しみにしています」と述べています。

また、ファイザー・プライマリーケアビジネスユニットの社長兼マネージング・ディレクターのジョン・ヤングは、「日本での承認により、エリキュースは6週間足らずで3つの規制当局から承認を取得したことになります。私たちはこの勢いに興奮しています。ブリストル・マイヤーズ スクイブ社と共に循環器用薬でのリーダーシップとノウハウを組み合わせることで、この重要な薬剤を日本の患者さんとドクターの元にお届けすることができると確信しています」と述べています。

 

心房細動について


心房細動は、最も一般的な不整脈(不規則な心拍)であり、死亡リスクを上げる疾患でもあります。海外のデータでは、40歳で心房細動の生涯リスクは約4人に1人と推定されています(※1)。心房細動における医学的に最も重大な問題は脳卒中発症リスクが上昇することであり、心房細動の患者は、心房細動のない人と比較して脳卒中発症リスクが2-7倍に高まります(※2)。日本では、脳卒中全体の約20%は心房細動が原因で発生しています。2) 抗血栓薬治療を受けていない患者における心房細動が関連する脳卒中の発症後30日以内の死亡率は24%、1年以内の死亡率は50%と考えられており、その他の原因による脳卒中よりも深刻です。

  1. 心房細動治療(薬物)ガイドライン(2008年改訂版)(日本循環器学会)
  2. 脳卒中治療ガイドライン2009 (脳卒中学会)

 

ARISTOTLE(アリストテレス)試験について


ARISTOTLE試験(=Apixaban for Reduction in Stroke and Other Thromboembolic Events in Atrial Fibrillation)は脳卒中のリスク因子)を1つ以上有する非弁膜症性心房細動患者18,201例(日本人336例を含む40カ国、1,053施設:エリキュース群9,120例、ワルファリン群9,081例)を対象とした国際共同第Ⅲ相試験で多施設共同のランダム化二重盲検比較試験です。患者は、エリキュース 5 mg 1日2回投与群(一部の患者については2.5 mg 1日2回投与)、またはワルファリン投与群のどちらかにランダムに割り付けられました。この大規模臨床試験において、エリキュースは新規抗凝固薬としてワルファリンに対し、初めて統計学的に有意な脳卒中発症の抑制(21%低下)と大出血発現率の低下(31%低下)、および全死亡率の低下(11%低下)を同時に達成しました。

脳卒中又は全身性塞栓症の発症率は、エリキュース群1.27%/年、ワルファリン群1.60%/年で、ワルファリンに対し21%の発現リスクの抑制が認められ、エリキュースのワルファリンに対する非劣性が示されました。またエリキュースのワルファリンに対する優越性が示されました。

大出血(ISTH 基準)の発現率は、エリキュース群2.13%/年、ワルファリン群3.09%/年であり、ワルファリンに対し31%の発現率の低下が認められ、エリキュースのワルファリンに対する優越性が示されました。頭蓋内出血の発現率は、エリキュース群0.33%/年、ワルファリン群0.80%/年であり、エリキュース群で有意に少ない結果になりました。

また、全死亡率に関しても、エリキュース群3.52%/年、ワルファリン群3.94%/年であり、ワルファリンに対し11%の全死亡率の低下が認められました。

 

ARISTOTLE(アリストテレス)試験の日本人症例のサブグループ解析について


ARISTOTLE試験へは、日本から336例の心房細動患者が登録されました。日本人症例における脳卒中・全身性塞栓症の発症率は、エリキュース群0.87%/年(3/161例)、ワルファリン群1.67%/年(6/175例)、また大出血 (ISTH基準)の発現率は、エリキュース群1.26%/年、ワルファリン群5.99%/年でした。これらの結果は、ARISTOTLE試験全体の結果と一貫した傾向がみられました。

 

「エリキュース®」の概要


製品名 エリキュース®錠2.5mg/ 5mg(Eliquis ® tablet 2.5mg/ 5mg)
一般名 アピキサバン(Apixaban)
製造販売承認日 2012年12月25日
製造販売元
販売元
ブリストル・マイヤーズ株式会社
ファイザー株式会社
効能・効果 非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制
用法・用量

通常、成人にはアピキサバンとして1 回5mgを1日2回経口投与する。
なお、年齢、体重、腎機能に応じて、アピキサバンとして1回2.5mg1日2回投与へ減量する。

[用法・用量に関連する使用上の注意]
次の基準の2つ以上に該当する患者は、出血のリスクが高く、本剤の血中濃度が上昇するおそれがあるため、1回2.5mg1日2回経口投与する。
  • 80歳以上
  • 体重60kg 以下
  • 血清クレアチニン1.5mg/dL以上
特性
  • 1.

    活性化血液凝固第Ⅹ因子(FXa)を可逆的に阻害する経口抗凝固薬です。

  • 2.

    FXaを強力にかつ選択的に阻害し、トロンビン産生を抑制することにより直接的な抗血液凝固作用及び間接的な抗血小板作用を示し、抗血栓作用を発揮します。

  • 3.

    国際共同第Ⅲ相試験(ARISTOTLE:アリストテレス試験)において、エリキュースは、有効性(脳卒中または全身性塞栓症の初回発現までの期間、全死亡までの期間)及び安全性(大出血)の双方で、対照薬に対する優越性が示され、サブグループ間での傾向に差は認められませんでした。

 

ブリストル・マイヤーズ スクイブ社とファイザー社の提携


2007年、ファイザー社とブリストル・マイヤーズ スクイブ社は、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社によって発見された経口抗凝固剤であるエリキュースの開発および販売に関し、世界的な提携契約を締結しました。この世界的提携によって、長年にわたるブリストル・マイヤーズ スクイブ社の心血管疾患治療薬の開発および販売の実績と、この領域におけるファイザー社のグローバルな規模および専門知識を結集することになります。両社ではエリキュースの医薬品適正使用の推進に向けた医薬品情報提供活動に取り組んでまいります。

 

ブリストル・マイヤーズ株式会社について


ブリストル・マイヤーズ株式会社は、世界的なバイオファーマ企業であるブリストル・マイヤーズ スクイブ社の日本法人として、深刻な病気を持つ患者さんを助けるための革新的な医薬品を発見、開発し、提供することを使命としています。詳細については、www.bms.com<米国本社のウェブサイト(英語)>、又はツイッター(http://twitter.com/bmsnews)をご覧ください。

 

ファイザー社について:より健康な世界の実現のために


ファイザー社では、あらゆるライフステージにおける健康と福祉の向上を目指し、科学、そして当社のグローバルのリソースを活用しています。ヒト、動物用の医薬品の発見、開発および製造における品質、安全性、価値に関して高い基準を設ける努力を続けています。当社の多角化したグローバルなヘルスケア製品のポートフォリオには、ヒト、動物用の生物学的製剤および低分子化合物、ワクチンと共に、栄養管理製品や世界でも知名度の高い多くの一般消費者向けの製品が含まれています。毎日の生活のなかで、ファイザー社のスタッフは先進国や新興国市場で業務に携わり、今の時代に最も恐れられている病気と闘うため、福祉、予防、治療などの進歩に努めています。世界をリードするバイオ医薬品企業としての責務を果たすべく、当社は医療従事者、政府、そして地域のコミュニティと協力して、世界中で信頼性が高く適切なヘルスケアを支援し拡大していきます。150年以上もの間、ファイザー社は当社を信頼してくださる全ての方々のために、少しでもよい結果をもたらすことができるように事業に取り組んで参りました。当社の取り組みの詳細はホームページをご覧ください。www.pfizer.com(Pfizer Inc)www.pfizer.co.jp (ファイザー株式会社)