プレスリリース
ブリストル・マイヤーズ スクイブ社 血管新生抑制の治療歴を有する進行期腎細胞がんの患者において、標準治療に対して優れた全生存期間を示した唯一の治療薬であるオプジーボが米国食品医薬品局(FDA)より承認を取得1
2015/11/26
小野薬品工業株式会社
ブリストル・マイヤーズ株式会社
※本資料は、米国ブリストル・マイヤーズ スクイブ社が2015年11月23日(米国現地時間)に発表しましたプレスリリースの日本語訳(抜粋)をご参考までにお届けするものです。内容につきましては原本である英文が優先します。
- 血管新生抑制の治療歴を有する進行期腎細胞がんにおいて全生存期間ベネフィットを示し、承認された初めて、そして唯一のPD-1阻害薬です1。
- エベロリムスの19.6カ月(95%信頼区間:17.6-23.1)に対して、オプジーボが25カ月(95%信頼区間:21.7-NE)と、全生存期間の中央値でベネフィットを示した(ハザード比: 0.73; [95%信頼区間:0.60-0.89; p=0.0018])CheckMate-025試験に基づき承認されました1,2。
- 12カ月間でオプジーボは異なる3つの異なるがん腫において5つの適応が承認され、より多くのがん患者は、がん免疫療法の治療選択肢にアクセスできます1。
(ニュージャージー州プリンストン、2015年11月23日)-ブリストル・マイヤーズ スクイブ社(NYSE:BMY/本社:米国・ニューヨーク/CEO:ジョバンニ・カフォリオ)は、本日、米国食品医薬品局(FDA)が、血管新生抑制の治療歴を有する進行期腎細胞がん(RCC)患者の治療において、オプジーボ(ニボルマブ)点滴静注を承認したことを発表しました1。本日の発表は、血管新生抑制の治療歴を有する進行期RCC患者において、優れた全生存期間(OS)を示したPD-1阻害薬が初めて、そして唯一承認されたことになります1。CheckMate-025試験では、事前に計画された中間解析に基づくと、オプジーボで治療した患者のOSの中央値は25カ月(95%信頼区間:21.7-not estimable[NE])を達成しました。これに対し、この疾患の標準治療(SOC)であるエベロリムスは19.6カ月(95%信頼区間:17.6-23.1)でした(ハザード比:0.73; [95%信頼区間:0.60-0.89; p=0.0018])1,2。この臨床試験での安全性プロファイルは、これまでに報告されたオプジーボの臨床試験の結果と一貫していました2。
ブリストル・マイヤーズ スクイブ社のエグゼクティブ・バイス・プレシデント兼 CSO のフランシス・カス、MB BChir、FRCPは次のように述べています。「これは、3つの異なるがん腫における、オプジーボで5つ目の承認となります。この最新の承認は、がん患者さんに長期生存の可能性をもたらす私たちの約束を実現するための取組みを表すものです。私たちは、当社のがん免疫療法に対する先駆的なアプローチが、がん治療に変革をもたらしていると信じています」。
オプジーボは次の免疫介在性副作用が認められています:肺臓炎、大腸炎、肝炎、内分泌障害、腎炎および腎機能障害、発疹、脳炎、その他の副作用としてインフュージョン・リアクションと胚・胎児毒性。重要な安全性に関する情報セクション(後記)をご参照ください1。
米国の承認は、OSの中央値が、エベロリムスの19.6 カ月(95%信頼区間:17.6-23.1)に対し、オプジーボが25 カ月(95%信頼区間:21.7-NE)とベネフィットを示した(ハザード比: 0.73; [95%信頼区間:0.60-0.89; p=0.0018])非盲検無作為化第Ⅲ相試験であるCheckMate -025試験のデータを根拠としています1,2。これは、このがん腫の患者において、免疫チェックポイント阻害薬が優れた全生存ベネフィットを初めて示した臨床試験です1。2015年9月16日に、FDAはオプジーボを、こちらもCheckMate-025試験の肯定的結果に基づき、血管新生抑制の治療歴を有する進行期RCCを予定される適応としてブレークスルーセラピー(画期的治療薬)に指定し、あらためてRCC治療におけるアンメット・ニーズを明らかにしました2。
フランシス・カス は続けて次のように述べています。「体の免疫システムに直接作用するがん免疫療法薬であるオプジーボは、血管新生抑制の治療歴を有する進行期腎細胞がんの治療において、医師に新たなアプローチを提供します。これらの患者さんは、標準治療と比較してこれまでにない生存アドバンテージを提供する可能性があるPD-1阻害薬治療の選択肢を初めて得ました」。
標準治療に対して優れた全生存期間を証明
CheckMate -025試験は、血管新生抑制の治療歴を有する進行期腎細胞がん患者を対象に、比較薬(エベロリムス)に対してオプジーボを評価する重要な非盲検無作為化第Ⅲ相試験です1,2。CheckMate -025試験の臨床結果は2015欧州がん学会で発表され、同時に、The New England Journal of Medicineに掲載されました2。
CheckMate -025試験では、821名の患者は、オプジーボ群(2 週間ごとに3mg/kg を静脈内投与;410 名)とSOC群(エベロリムス、10mg 錠を1日1 回経口投与;411名)に、無作為に割り付けられました1,2。主要評価項目は、OS1,2で、奏効率(ORR)が副次的評価項目として評価されました1,2。事前に計画された中間解析は398症例(最終解析として計画された症例数の70%)が観察された時点で実施されました1。この臨床試験で、オプジーボはOSの中央値で25カ月(95%信頼区間:21.7-NE)、エベロリムスは19.6カ月(95%信頼区間,17.6-23.1) (ハザード比: 0.73; [95%信頼区間:0.60-0.89; p=0.0018]) となり、5.4カ月の生存ベネフィットをもたらしました1。オプジーボでは、OSベネフィットはPD-L1の発現の有無にかかわらず観察されました1。生存期間の改善に加えて、オプジーボは、エベロリムスに対して優れたORR (21.5%; 95%信頼区間:17.6 - 25.80 vs. 3.9%; 95%信頼区間:2.2 - 6.2)と、より長い奏効期間中央値(23.0 カ月; 95%信頼区間:12.0-NE vs. 13.7カ月; 95%信頼区間:8.3-21.9)を示しました1。
メモリアル・スローン・ケタリングがんセンターの腫瘍内科医であるロバート・J・モッツァ博士(MD)は、次のように述べています。「CheckMate -025試験の結果は、進行期腎細胞がん患者においてがん免疫療法が標準治療に対して、生存アドバンテージを初めて示したものになります。進行期腎細胞がん患者さんにとって、治療の選択肢は限られており、生存期間を延長する新たなアプローチがどうしても必要でした。FDAによるオプジーボの承認によって、腎臓がんの治療において、多くの患者さんが求め続けてきた長期生存の達成に向けて歩みを進めました。これは、私たちの治療パラダイムにおける真の変化を表しています」。
RCCの治療はこの10年の間に改善してきましたが、より長期間の有効性と全生存ベネフィットを示す新たな治療の選択肢を必要としていました3。
Kidney Cancer AssociationのCEOで患者コーディネーターのWilliam P. Bro氏は、次のように述べています。「オプジーボが承認されたことは、腎臓がんの関係者にとって主要なマイルストーンとなりました。私たちは、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社とFDAが、患者さんに対して、この重要な新しい治療選択肢となる、生存期間の延長の可能性を届けるために迅速に動いていただいたことに感謝します」。
CheckMate -025試験におけるオプジーボの安全性プロファイルは、これまでに報告されたオプジーボの臨床試験の結果と一貫しています2。重度の副作用はオプジーボを投与した患者の47%で発生しました1。オプジーボを投与した患者の2%以上で最も多く報告された重度の副作用は、急性腎損傷、胸水、肺炎、下痢および高カルシウム血症でした1。この臨床試験において、オプジーボ投与患者においてエベロリムスに対して、最も一般的に(患者の20%以上で)報告された副作用は、筋無力症候群(56%対57%)、咳(34%対38%)、吐き気(28%対29%)、発疹(28%対36%)、呼吸困難(27%対31%)、下痢(25%対32%)、便秘(23%対18%)、食欲減退(23%対30%)、背部痛(21%対16%)、関節痛(20%対14%)でした1。
腎細胞がんについて
腎細胞がん(RCC)は米国では成人の腎臓がんの中で最も一般的な型で、腎臓がん患者の10人中9人近くを占めています3。2015年に米国では腎臓がんを新たに発症した患者は61,560人と考えられ、女性より男性の発症が高くなっています。腎明細胞がんはRCCの中で最も多い型で、全症例の70%を占めています3。米国では2015年に約14,000人が腎臓がんで死亡すると見込まれます。進行期の腎臓がんと診断された患者の5 年生存率は8%です3。
腎細胞がんにおけるがん免疫療法の開発を主導
ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は、がん免疫療法として知られる、がんと闘うために体の免疫システムに直接作用する作用機序を持つ治療法の、がん研究および治療の先駆者です。
オプジーボはprogrammed death-1(PD-1)免疫チェックポイント阻害薬で、PD-1免疫チェックポイント経路を介して免疫システムを標的とします1。この経路を介して免疫システムを標的とすることは、現在、RCCの治療に対する新しいアプローチとして認識されています3。
ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は、世界中の8,000人以上の患者さんを対象とし、オプジーボを複数のがん腫において単剤療法または他の治療薬との併用療法として検討する50件以上の臨床試験から構成される幅広いグローバル開発プログラムを展開しています。
ブリストル・マイヤーズ スクイブ社の患者支援プログラム
ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は患者さんが私たちの医薬品にアクセスすることを支援することに取り組んでいます。支援や援助のために、患者さんと医師は1-855-OPDIVO-1に電話することができます。この電話番号は、患者さんと医師に一連の支援サービスをワンストップで提供します。
ブリストル・マイヤーズ スクイブ社のAccess Supportについて
※本項目の内容は米国での承認に際しての情報であり、日本国内には適用されません。
ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は、患者さんがオプジーボを利用できるようにするため、そして患者さんや医療従事者が利用できるように支援する、BMS Access Support?を提供しています。BMS Access Supportは、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社の償還支援プログラムで、給付審査、事前認可の促進、申請支援、患者さんの実費負担支援などを含む償還支援によって、BMSの医薬品を利用することをサポートし、治療を受けるまでの期間を早めることを目的として構成されています。BMS Access Supportは、初期診断や、臨床試験からの移行支援など、治療期間全体を通して患者さんと医療関係者をサポートします。償還支援プログラムの詳細については、電話(1-800-861-0048)でお問い合わせいただくか、またはwww.bmsaccesssupport.comをご覧ください。オプジーボの償還情報を必要とする医療関係者は、www.bmsaccesssupportoncology.comからBMSのアクセスサポート製品セクションをご覧ください。
適応症
オプジーボは血管新生抑制の治療歴を有する進行期腎細胞がん(RCC)患者の治療を適応としています。
オプジーボは単剤として、イピリムマブでの治療後、かつ、BRAF V600 変異陽性の場合は、BRAF 阻害薬での治療後に病勢進行が認められた切除不能または転移性悪性黒色腫の治療を適応としています。この適応は、奏効率と奏効期間に基づき、迅速審査にて承認されました。この適応の承認の継続条件は、検証試験において臨床的有用性を証明し記載することです。
オプジーボは、イピリムマブとの併用で、BRAF V600 野生型の切除不能または転移性の悪性黒色腫患者の治療を適応としています。この適応は、奏効率と奏効期間に基づき、迅速承認されました。この適応の承認の継続条件は、検証試験において臨床的有用性を証明し記載することです。
オプジーボは、プラチナ製剤による化学療法での治療中または治療後に病勢進行が認められた切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん患者の治療を適応としています。EGFR変異またはALK転座を有する患者さんは、オプジーボによる治療の前に、FDAが承認した治療を行い、病勢進行が認められた場合に限られます。
重要な安全性情報
※本項目の内容は米国での承認に際しての情報であり、日本国内には適用されません。
詳細は、米国におけるオプジーボおよびヤーボイの添付文書をご覧ください。
警告:免疫介在性副作用
ヤーボイを使用すると、重篤かつ致死的な免疫介在性副作用が起こる可能性があります。このような免疫介在性反応は、どの器官系でも起こり得ますが、最も一般的に見られる重篤な免疫介在性副作用は、腸炎、肝炎、皮膚炎(中毒性表皮壊死融解症など)、神経障害、内分泌障害です。これらの免疫介在性反応の大部分は、治療中に発現しましたが、ヤーボイ使用中止後、数週間から数カ月経って発現する例も少数見られました。
患者について、ベースライン時と毎回の投与前に、腸炎、皮膚炎、神経障害、および内分泌障害の徴候や症状がないかどうかを評価し、肝機能検査、副腎皮質刺激ホルモン検査や甲状腺機能検査を含む臨床生化学検査の評価を行う必要があります。
重篤な免疫介在性反応が認められた場合には、ヤーボイを完全に中止し、高用量の副腎皮質ホルモン剤の全身投与を開始する必要があります。
免疫介在性肺臓炎
- オプジーボの投与に関連し、致死的なケースを含む免疫介在性の肺臓炎または間質性肺疾患が報告されました。固形がんを有する臨床試験被験者において、致死的な免疫介在性肺臓炎は、オプジーボ群で報告されました。CheckMate -069試験では更に6例で呼吸器症状が回復することなく死亡しました。肺臓炎のX線画像の徴候や症状がないか、患者さんをモニターしてください。グレード2以上の肺臓炎については、副腎皮質ホルモン剤を投与します。グレード3または4の肺臓炎については、オプジーボの投与を完全に中止し、グレード2については消失するまでオプジーボの投与を中断してください。CheckMate -037試験において、間質性肺疾患を含む肺臓炎がオプジーボ群の3.4%(268例中9例)で報告され、化学療法群では、102例中1例も報告されませんでした。免疫介在性の肺臓炎はオプジーボの投与を受けた患者の2.2%(268例中6例)で発生しました。グレード3が1例、グレード2が5例でした。CheckMate -057試験において、間質性肺疾患を含む、免疫介在性肺臓炎は3.4%(287例中10例)で報告され、グレード3が5例、グレード2が2例、グレード1が3例でした。
CheckMate -025試験では、間質性肺疾患を含む肺臓炎が、オプジーボを投与された患者の5.2%(406例中21例)において発生し、エベロリムスを投与された患者では18.4%(397例中73例)で発生しました。免疫介在性肺臓炎はオプジーボを投与された患者の4.4%(406例中18例)で発生し、うちグレード4は1例、グレード3は4例、グレード2は12例、グレード1は1例でした。CheckMate -069試験では、間質性肺疾患を含む肺臓炎がオプジーボとヤーボイの併用投与群の10%(94例中9 例)で発生し、ヤーボイ投与群では2.2%(46例中1例)で発生しました。免疫介在性の肺臓炎はオプジーボとヤーボイの併用投与を受けた患者の6%(94例中6例)で発生し、うちグレード5は1例、グレード3は2例、グレード2は3例でした。
免疫介在性大腸炎
- 免疫介在性大腸炎がオプジーボの投与により発生する可能性があります。大腸炎について、患者さんをモニターしてください。グレード2(5日間以上持続した場合)、3または4の大腸炎については、副腎皮質ホルモン剤を投与します。単剤投与の場合、グレード2または3については、投与を中断します。グレード4または再発性の大腸炎については、オプジーボの投与を完全に中止してください。ヤーボイとの併用投与の場合、グレード2についてはオプジーボの投与を中断し、グレード3または4、再発性の大腸炎については、オプジーボの投与を完全に中止してください。CheckMate -037試験において、オプジーボ群の21%(268例中57例)、化学療法群の18%(102例中18例)で大腸炎/下痢が報告されました。免疫介在性大腸炎はオプジーボの投与を受けた患者の2.2%(268例中6例)で発生し、うち、グレード3は5例、グレード2は1例でした。CheckMate -057試験では、下痢や大腸炎がオプジーボ群の17%(287例中50例)で報告されました。免疫介在性大腸炎は患者の2.4%(287例中7例)で発生し、うち、グレード3は3例、グレード2は2例、グレード1は2例でした。CheckMate -025試験では、下痢や大腸炎がオプジーボを投与した患者の25%(406例中100例)で発生し、エベロリムスを投与した患者では32%(397例中126例)で発生しました。免疫介在性の下痢や大腸炎はオプジーボを投与した患者の3.2%(406例中13例)で発生し、うちグレード3は5例、グレード2は7例、グレード1は1例でした。CheckMate -069試験では、オプジーボとヤーボイの併用投与を受けた患者の57%(94 例中54 例)、ヤーボイ投与群の46%(46例中21例)で大腸炎または下痢が報告されました。免疫介在性大腸炎は、オプジーボとヤーボイの併用投与を受けた患者の33%(94 例中31 例)で発生し、うち グレード4は1例、グレード3は16例、グレード2は9例、グレード1は5例でした。
- 異なる第Ⅲ相試験でヤーボイ3mg/kgの投与を受けた患者において、重篤、生命にかかわる、あるいは致死的(ベースラインを7回以上上回る下痢、発熱、腸閉塞、腹膜刺激症状、グレード3-5)な免疫介在性腸炎が34例(7%)で発生しました。臨床試験全体(511例)でヤーボイを投与された患者において、5例(1%)で腸穿孔が発生し、4例(0.8%)が合併症で死亡し、26例(5%)が重度の腸炎により入院しました。
免疫介在性肝炎
- 免疫介在性肝炎がオプジーボの投与により発生する可能性があります。投与前、および投与期間中は定期的に、肝機能検査値異常がないかどうかモニターしてください。グレード2以上のトランスアミナーゼ上昇については、副腎皮質ホルモン剤を投与します。グレード2については投与を中断し、グレード3または4の免疫介在性肝炎については投与を完全に中止してください。CheckMate -037試験において、肝機能検査値異常は、オプジーボ群の方が化学療法群よりも多く見られ、AST上昇(オプジーボ群28%に対して化学療法群12%)、アルカリホスファターゼ(ALP)上昇(オプジーボ群22%に対して化学療法群13%)、アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)上昇(オプジーボ群16%に対して化学療法群5%)、総ビリルビン上昇(オプジーボ群9%に対して化学療法群0)となりました。免疫介在性肝炎はオプジーボの投与を受けた患者の1.1%(268例中3例)で発生しました。グレード3が2例、グレード2が1例でした。CheckMate -057試験では、1人の患者(0.3%)が、免疫介在性肝炎を発症しました。CheckMate -025試験では、ベースラインと比較して、オプジーボ群とエベロリムス群でそれぞれ、AST(33%対39%)、アルカリホスファターゼ(32%対32%)、ALT(22%対31%)、総ビリルビン(9%対3%)といった肝機能検査値異常率が増加しました。全身の免疫抑制治療を必要とする免疫介在性肝炎が、オプジーボを投与した患者の1.5%(406例中6例)で発生し、うちグレード3は5例、グレード2は1例でした。CheckMate -069試験では、免疫介在性肝炎は、オプジーボとヤーボイの併用投与を受けた患者の15%(94 例中14 例)で発生し、うち グレード4は3例、グレード3は9例、グレード2は2例でした。
- 異なる第Ⅲ相試験でヤーボイ3mg/kgの投与を受けた患者において、重篤、生命にかかわる、あるいは致死的な肝毒性(ASTまたはALTの上昇が基準値上限(ULN)の5倍超、または総ビリルビン上昇がULNの3倍超、グレード3-5)が8例(2%)発生し、そのうち0.2%で致死的な肝不全、0.4%で入院しました。
免疫介在性皮膚炎
- 異なる第Ⅲ相試験でヤーボイ3mg/kgの投与を受けた患者において、重篤、生命にかかわる、あるいは致死的な免疫介在性皮膚炎(スティーブンス・ジョンソン症候群、中毒性表皮壊死融解症、または真皮全層の潰瘍・壊死・水疱・出血の兆候によって悪化した皮疹など、グレード3-5)が13例(2.5%)発生しました。中毒性表皮壊死融解症による死亡が1例(0.2%)発生しました。他に、重篤な皮膚炎により、1例が入院しました。
免疫介在性神経障害
- 異なる第Ⅲ相試験でヤーボイ3mg/kgの投与を受けた患者において、重篤、生命にかかわる、あるいは致死的なギランバレー症候群が1例、重篤な(グレード3)末梢運動神経障害が1例報告されました。
免疫介在性内分泌障害
- 下垂体炎、副腎機能不全、甲状腺障害、1型糖尿病がオプジーボの投与により発生する可能性があります。投与中および投与後に、下垂体炎や副腎機能不全の兆候や症状、甲状腺障害や高血糖がないか、投与前および投与中定期的に患者さんをモニターしてください。グレード2以上の下垂体炎については、副腎皮質ホルモン剤を投与します。グレード2または3については投与を中断し、グレード4については投与を完全に中止してください。グレード3または4の副腎機能不全については、副腎皮質ホルモン剤を投与します。グレード2については投与を中断し、グレード3または4については投与を完全に中止してください。甲状腺機能低下症については、ホルモン補充療法を行います。甲状腺機能亢進症をコントロールのためには、内科的治療を開始してください。1型糖尿病に対してはインスリンを投与します。グレード3については投与を中断し、グレード4の高血糖については投与を完全に中止してください。
CheckMate -025試験では、下垂体炎はオプジーボを投与した患者の0.5%(406例中2例)で発生し、うちグレード3は1例、グレード1は1例でした。CheckMate -069試験では、下垂体炎がオプジーボとヤーボイの併用療法を受けた患者の13%(94例中12例)で発生し、うち グレード3は2例、グレード2は10例でした。CheckMate -037試験および057試験(555例)では、副腎不全は、オプジーボを投与した患者の1%で発生しました。CheckMate -025試験では、下垂体炎はオプジーボを投与した患者の2%(406例中8例)で発生し、うち、グレード3は3例、グレード2は4例、グレード1は1例でした。でした。CheckMate -069試験では、副腎機能不全がオプジーボとヤーボイの併用療法を受けた患者の9%(94例中8例)で発生し、うち グレード3は3例、グレード2は4例、グレード1は1例でした。CheckMate-037試験において、グレード1または2の甲状腺機能低下症は、オプジーボ群の8%(268例中21例)で報告され、化学療法群では、102例中1例も報告されませんでした。グレード1または2の甲状腺機能亢進症は、オプジーボ群の3%(268例中8例)、化学療法群の1%(102例中例1)で報告されました。CheckMate -057試験では、オプジーボ単剤投与の患者のうち、甲状腺機能低下症は甲状腺炎を含め7%(287例中20例)で発生し、甲状腺刺激ホルモンの上昇は17%で発生しました。CheckMate -025試験では、甲状腺疾患は、オプジーボを投与した患者の10.6%(406例中43例)で発生し、うち、グレード3は1例で、エベロリムスを投与した患者では3%(397例中12例)で発生しました。甲状腺機能低下症と甲状腺炎は、オプジーボを投与した患者の8.1%(406例中33例)で発生し、うちグレード3は2例、グレード2は17例、グレード1は14例でした。甲状腺機能亢進症は、オプジーボを投与した患者の2.5%(406例中10例)で発生し、うちグレード2は5例、グレード1は5例でした。
CheckMate -069 試験では、甲状腺機能低下症がオプジーボとヤーボイの併用療法を受けた患者の19%(94例中18例)で発生し、グレード3の自己免疫甲状腺炎の1例を除き、すべて重篤度はグレード1または2でした。グレード1の甲状腺機能亢進症が、オプジーボとヤーボイの併用療法を受けた患者の2.1%(94例中2例)で発生しました。CheckMate -025試験では、高血糖の副作用が患者の9%(406例中37例)で発生しました。糖尿病または糖尿病性ケシアシドーシスは、オプジーボを投与した患者の1%(406例中6例)で発生し、うち、グレード3は3例、グレード2は2例、グレード1は1例でした。 - 異なる第Ⅲ相試験でヤーボイ3mg/kgの投与を受けた患者において、重篤または生命にかかわる免疫介在性内分泌障害(入院や緊急の医療介入を要するもの、または日常生活に支障を来すもの、グレード3-4)が9例(1.8%)発生しました。9例すべてに下垂体機能低下症が見られ、一部は、副腎機能不全、性腺機能低下症、甲状腺機能低下症などの内分泌障害を併発していました。9例中6例は、重篤な内分泌障害のために入院しました。
免疫介在性腎炎および腎機能障害
- 免疫介在性腎炎がオプジーボの投与により発生する可能性があります。投与前、および投与期間中は定期的に、血清クレアチニン上昇が見られないかどうかモニターしてください。グレード2または3の血清クレアチニン上昇については、投与を中断し、副腎皮質ホルモン剤を投与します。悪化した場合、または改善が見られない場合は、投与を完全に中止してください。グレード4の血清クレアチニン上昇については、副腎皮質ホルモン剤を投与し、オプジーボまたはヤーボイの投与を完全に中止してください。CheckMate-037試験において、クレアチニン値上昇は、オプジーボ群の方が化学療法群よりも多く見られました(オプジーボ群13%に対して化学療法群9%)。グレード2または3の免疫介在性腎炎または腎機能障害が0.7%(268例中2例)で発生しました。CheckMate -057試験では、グレード2の免疫介在性腎機能障害がオプジーボを投与した患者の0.3%(287例中1例)で発生しました。CheckMate -025試験では、腎障害が、オプジーボを投与した患者の6.6%(406例中27例)、エベロリムスを投与した患者の3.0%(397例中12例)で発生しました。免疫介在性腎炎および腎機能障害はオプジーボを投与した患者の3.2%(406例中13例)で発生し、うちグレード5は1例、グレード4は1例、グレード3は5例、グレード2は6例でした。CheckMate -069試験では、グレード2かそれ以上の免疫介在性腎炎および腎機能障害が2.1%(94例中2例)で発生し、うち1例は腎機能障害が改善することなく死亡しました。
免疫介在性発疹
- 免疫介在性発疹がオプジーボの投与により発生する可能性があります。重篤な発疹(致死性の中毒性表皮壊死症という稀な場合を含む)がオプジーボの臨床プログラムで発生しました。発疹に対して患者さんをモニターしてください。グレード3または4の発疹については、副腎皮質ホルモン剤を投与します。グレード3については投与を中断し、グレード4については投与を完全に中止してください。CheckMate-037試験(268例)における発疹の発現率は21%、グレード3または4の発現率は0.4%でした。CheckMate -057試験では、グレード3の4例を含め、免疫介在性の発疹がオプジーボを投与した患者の6%(287例中17例)で発生し、うち、グレード3が4例でした。CheckMate -025試験では、発疹が、オプジーボを投与した患者の28%(406例中112例)、エベロリムスを投与した患者の36%(397例中143例)で発生しました。全身または局所で副腎皮質ホルモン剤を投与する発疹である免疫介在性発疹はオプジーボを投与した患者の7.4%(406例中30例)で発生し、うちグレード3は4例、グレード2は7例、グレード1は19例でした。CheckMate -069試験では、免疫介在性発疹がオプジーボとヤーボイの併用療法を受けた患者の37%(94例中35例)で発生し、うちグレード3が6例、グレード2が10例、グレード1が19例でした。
免疫介在性脳炎
- オプジーボの投与により免疫介在性脳炎が発生する可能性があります。中等度から重度の神経的な徴候や症状を新たに発症した患者についてはオプジーボの投与を中断し、その他の原因を除外するために評価してください。その他の原因が除外された場合には、免疫介在性脳炎については、副腎皮質ホルモン剤を投与し、オプジーボの投与を完全に中止してください。臨床試験において単剤またはイピリムマブとの併用でオプジーボの投与を受けた8,490人の患者さんの1%未満で脳炎が認められました。CheckMate -057試験では、オプジーボの投与を受けた患者さん1例(0.3%)で致死的な辺縁系脳炎が発現しました。
その他の免疫介在性副作用
- 副作用の重篤度に基づき、投与を完全に中止または中断し、高用量の副腎皮質ホルモン剤を投与し、必要に応じてホルモン補充療法を開始してください。次の免疫介在性副作用がオプジーボ単剤投与を受けた患者の2%未満で発生しました。:ブドウ膜炎、膵炎、顔面および外転神経不全麻痺、脱髄、自己免疫性神経障害、全身性炎症反応症候群。オプジーボが3 mg/kg と10 mg/kg単剤投与された臨床試験で、臨床的に著しく発生した次の免疫介在性の副作用が確認されました。:糖尿病および筋無力症候群。CheckMate -069試験では、次の臨床的に著しい免疫介在性副作用がオプジーボとヤーボイの併用療法を受けた患者の1%で発生しました。ギランバレー症候群、下垂体機能低下症。次の臨床的に著しい免疫介在性副作用がオプジーボとヤーボイの併用療法の臨床試験で確認されました。:ブドウ膜炎、サルコイドーシス、十二指腸炎、膵炎、および胃炎。
インフュージョン・リアクション
- 重度のインフュージョン・リアクションは、臨床試験でオプジーボ単剤投与を受けた患者の1%未満で報告されました。グレード3または4のインフュージョン・リアクションを発症した患者はオプジーボの投与を中止してください。グレード1または2のインフュージョン・リアクションを発症した患者は、中断もしくは投与速度を低下させます。
CheckMate -057試験では、グレード2がオプジーボを投与した患者の1%(287例中3例)で発生しました。CheckMate -025試験では、過敏症/注入関連の副作用がオプジーボを投与した患者の6.2%(406例中25例)、エベロリムスを投与した患者の1.0%(397例中4例)で発生しました。CheckMate -069試験で、グレード2のインフュージョン・リアクションはヤーボイとオプジーボの併用療法を受けた患者の3%(94例中3例)で発生しました。重度または生命を脅かすインフュージョン・リアクションの患者では、オプジーボの投与を中止します。軽度または中等度のインフュージョン・リアクションを有する患者は、中断もしくは投与速度を低下させます。
胚・胎児毒性
- 作用機序に基づき、オプジーボとヤーボイは、妊婦に投与すると胎児に悪影響を及ぼす可能性があります。妊娠中の女性には、胎児へのリスクを説明してください。妊娠の可能性がある女性には、オプジーボまたはヤーボイを含む併用療法の投与を受けている期間、および最後に投与してから少なくとも5カ月間は、効果的な避妊法を用いるよう助言してください。
授乳
- オプジーボまたはヤーボイの母乳中への移行については確認されていません。抗体を含む多くの薬剤は母乳に移行します。オプジーボを含む治療は、授乳中の乳児に重篤な副作用を引き起こす可能性があるため、治療中は授乳を中止するよう助言してください。ヤーボイでの治療中や最終の投与後3カ月間は授乳を中止するよう助言してください。
重篤な副作用
- CheckMate-037試験において、オプジーボ投与群の41%で重篤な副作用が報告されました。グレード3または4の副作用はオプジーボ群の42%で報告されました。オプジーボ投与群の2%以上5%未満で最も多く報告されたグレード3または4の副作用の内、腹痛、低ナトリウム血症、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ上昇、そしてリパーゼ上昇でした。CheckMate -057試験において、重篤な副作用は、オプジーボ群の47%で報告されました。患者群の2%以上で報告された副作用の内、最も多く報告された重篤な副作用は肺炎、肺塞栓症、呼吸困難、胸水、そして呼吸不全でした。CheckMate -025試験では、重篤な副作用が、オプジーボを投与した患者の47%で発生しました。少なくとも2%で報告された最も頻度が高い重篤な副作用が、急性腎損傷、胸水、肺炎、下痢、および高カルシウム血症でした。CheckMate -069試験では、重篤な副作用は、オプジーボの投与を受けた患者の62%で発生しました。ヤーボイとの併用療法では、報告された最も多く発生する重篤な副作用は、ヤーボイ単剤療法と比べて、大腸炎(17%対9%)、下痢(9%対7%)、発熱(6%対7%)および肺臓炎(5%対0)でした。
一般的な副作用
- CheckMate -037試験で最も一般的に(20%以上)報告された副作用は、発疹(21%)でした。CheckMate -057試験で最も一般的に(20%以上)報告された副作用は、疲労(49%)、筋骨格痛(36%)、咳(30%)、食欲減退(29%)、便秘(23%)でした。CheckMate -025試験では、オプジーボを投与した患者において、最も一般的に(20%以上で)報告された副作用は、エベロリムスと比較して、無力状態(56%対57%)、咳(34%対38%)、吐き気(28%対29%)、発疹(28%対36%)、呼吸困難(27%対31%)、下痢(25%対32%)、便秘(23%対18%)、食欲不振(23%対30%)、背中の痛み(21%対16%)、関節痛(20%対14%)でした。CheckMate -069試験で、最も一般的に(20%以上)報告された副作用は、オプジーボとヤーボイの併用群対ヤーボイ単剤群で発疹(67%対57%)、そう痒(37%対26%)、頭痛(24%対20%)、嘔吐(23%対15%)、および大腸炎(22%対11%)でした。
- 異なる第Ⅲ相試験でヤーボイ3mg/kgの投与を受けた患者において、ヤーボイ3 mg/kgの投与を受けた患者において最も一般的(5%以上)に見られた副作用は、疲労(41%)、下痢(32%)、そう痒症(31%)、発疹(29%)、大腸炎(8%)でした。
ブリストル・マイヤーズ スクイブ社と小野薬品工業との提携について
2011年、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は、小野薬品工業と締結した提携契約により、当時、小野薬品工業がすべての権利を保有していた日本、韓国、台湾を除く世界各国におけるオプジーボの開発・商業化に関する権利を獲得しました。2014年7月23日、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社と小野薬品工業は、この戦略的提携契約をさらに拡張し、日本、韓国、台湾のがん患者さん向けに複数の免疫療法薬を単剤療法および併用療法として共同開発・商業化することを合意しました。
ブリストル・マイヤーズ スクイブ社について
ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は、深刻な病気を抱える患者さんを助けるための革新的な医薬品を開発し、提供することを使命とするグローバルなバイオファーマ製薬企業です。詳細については、www.bms.com<米国本社のウェブサイト(英語)>またはツイッター(http://twitter.com/bmsnews)をご覧ください。
ブリストル・マイヤーズ スクイブ社の将来予測等に関する記述について
本プレスリリースは、医薬品の研究、開発、および販売について、1995年民間有価証券訴訟改正法の趣旨の範疇に含まれる「将来予測に関する記述」を含んでいます。そうした将来予測に関する記述は現在の予想に基づくものであり、遅延、転換または変更を来たす、内在的リスクと不確実性を伴っており、実際の成果または業績が現在の予想と大きく異なる結果となる可能性があります。将来予測に関するいかなる記述も保証されるものではありません。本プレスリリースの将来予測に関する記述は、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社の事業に影響を与える多くの不確定要素、特にブリストル・マイヤーズ スクイブ社の2014年12月31日に終了した事業年度通期報告書(Form 10-K)、四半期報告書(Form 10-Q)および当期報告書(Form 8-K)にリスク要因として記されている不確定要素と共に評価されるべきです。ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は、新たな知見、今後の出来事等に因るか否かを問わず、一切の将来予測等に関する記述について、公に更新する義務を負うものではありません。
- Opdivo Prescribing Information. Opdivo U.S. Product Information. Last updated: November 23, 2015. Princeton, NJ: Bristol-Myers Squibb Company.
- Motzer RJ, Escudier B, McDermott DF, et al. Nivolumab versus everolimus in advanced renal-cell carcinoma. N Engl J Med. 2015;373(19):1803-1813.
- American Cancer Society. Kidney cancer (adult) - renal cell carcinoma. www.cancer.org/acs/groups/cid/documents/webcontent/003107-pdf.pdf. Updated March 3, 2015. Accessed October 26, 2015.