プレスリリース
オプジーボ®(一般名:ニボルマブ)とヤーボイ®(一般名:イピリムマブ)の併用療法を進行期悪性黒色腫を対象に評価した2件の臨床試験の長期データによりブリストル・マイヤーズ スクイブ社のがん免疫療法薬の併用療法のアプローチが引き続き実証される
2016/06/07
小野薬品工業株式会社
ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社
本資料は、米国ブリストル・マイヤーズ スクイブ社が2016年6月6日(米国現地時間)に発表しましたプレスリリースの日本語訳(抜粋)をご参考までにお届けするものです。内容につきましては原本である英文が優先します。
- CheckMate -067試験の最低18カ月の追跡調査において、オプジーボとヤーボイの併用療法およびオプジーボ単剤療法が、ヤーボイ単剤療法と比較して無増悪生存期間の大幅な延長と高い奏効率を示しました。
- CheckMate -067試験において、奏効期間の中央値は併用療法群で未達、オプジーボ単剤療法群で22.3カ月、ヤーボイ単剤療法群では14.4カ月でした。
- これまでより長期の追跡調査において、オプジーボとヤーボイの併用療法の安全性プロファイルは、これまでに報告された同併用療法の試験と一貫していました。
(ニュージャージー州プリンストン、2016年6月6日)-ブリストル・マイヤーズ スクイブ社(NYSE:BMY/本社:米国ニューヨーク/CEO:ジョバンニ・カフォリオ)は、本日、進行期悪性黒色腫を対象にオプジーボとヤーボイの併用療法を評価した2件の臨床試験の結果を発表しました。重要な第Ⅲ相臨床試験であるCheckMate -067試験の最低18カ月の追跡調査において、オプジーボとヤーボイの併用療法が引き続き臨床的有用性を示し、ヤーボイ単剤療法と比較して病勢進行のリスクを58%低減しました(ハザード比:0.42 [99.5% 信頼区間: 0.31-0.57; p<0.0001])。オプジーボ単剤療法は、ヤーボイ単剤療法と比較して病勢進行のリスクを45%低減しました(ハザード比=0.55 [99.5% 信頼区間: 0.43-0.76; p<0.0001])。第Ⅱ相臨床試験であるCheckMate -069試験の事後解析では、治療に関連する有害事象により投与を中止した患者のサブグループ(35例)においても併用療法の持続的な奏効が認められ、無作為に割り付けられた全患者群(95例)と一貫していました。最低2年の追跡調査において、同サブグループの奏効率は66%であり、20%が完全奏効を達成しました。2年時点で、奏効期間の中央値は未達であり、患者の74%が奏効継続中でした。CheckMate -067試験および069試験におけるオプジーボとヤーボイの併用療法の安全性プロファイルは、これまでに報告された同併用療法の試験と一貫しており、治療に関連する有害事象の大半は、確立されたアルゴリズムを用いて管理されました。
メモリアルスローンケタリングがんセンターの悪性黒色腫および免疫療法 サービス主任であるジェド・D・ウォルチョック(M.D.、PhD)は、次のように述べています。「CheckMate -067試験のデータは、イピリムマブ単剤療法と比較して、進行期悪性黒色腫においてニボルマブとイピリムマブの併用療法が示した無増悪生存ベネフィットの長期的な持続性について、新たな洞察をもたらすものです。さらに、CheckMate -069試験の事後解析では、毒性によって併用療法の投与を中止した患者群においても、同試験の全患者群と一貫した有効性が認められました。これらのデータは私たちの励みとなり、また悪性黒色腫患者さんにおける併用療法の有効性と安全性について、重要な追加情報を与えてくれるものです。」
CheckMate -067試験のデータは、米国臨床腫瘍学会(ASCO)の第52回年次総会にて、6月6日(月)午後2時39分~2時51分(米国中部夏時間)に行われる口頭アブストラクトセッションで発表される予定です(抄録番号#9505)。CheckMate -069試験のデータは、6月4日(土)に行われたポスターディスカッションセッションで発表されました。(抄録番号#9518)。
ブリストル・マイヤーズ スクイブ社 メラノーマおよび泌尿生殖器がん領域開発責任者のヴィッキー・グッドマン(M.D.、Ph.D)は、次のように述べています。「ASCOで発表されたCheckMate -067試験および069試験のデータでは、これまでより長期の追跡調査において、進行期悪性黒色腫におけるオプジーボとヤーボイの併用療法群で無増悪生存期間および奏効の持続が認められました。これらのデータは、がん免疫療法薬の併用療法を研究する当社の研究戦略の正当性を裏付けるものです。当社は引き続き、この研究をさらに前進させ、進行期のがん患者さんの長期生存および転帰を改善するより多くの治療法の研究に全力を尽くします。」
CheckMate -067試験について
CheckMate-067試験は、BRAF V600変異陽性とBRAF野生型の双方を含む未治療の進行期悪性黒色腫患者を対象として、オプジーボとヤーボイの併用療法またはオプジーボ単剤療法を、ヤーボイ単剤療法と比較評価した第Ⅲ相無作為化二重盲検臨床試験です。945例の患者が、オプジーボとヤーボイの併用療法(オプジーボ1 mg/kgとヤーボイ3 mg/kgを3週間ごとに4回静脈内投与した後、オプジーボ3 mg/kg を2週間ごとに投与、314例)、オプジーボ単剤療法(オプジーボ3 mg/kgを2週間ごとに静脈内投与、316例)、またはヤーボイ単剤療法(ヤーボイ3 mg/kgを3週間ごとに4回静脈内投与した後、プラセボを2週間ごとに投与、315例)のいずれかに無作為に割り付けられました。患者への投与は、病勢進行または忍容できない毒性が認められるまで継続されました。主要評価項目は、無増悪生存期間(PFS)および全生存期間(OS)でした。副次的評価項目は、PFS、奏効率(ORR)、安全性および忍容性でした。本試験は継続中であり、OSが追跡調査されています。
最低18カ月の追跡調査では、未治療の進行期悪性黒色腫患者において、オプジーボとヤーボイの併用療法がヤーボイ単剤療法と比較して病勢進行のリスクを58%低減(ハザード比:0.42 [99.5% 信頼区間:0.31-0.57; p<0.0001])したのに対し、オプジーボ単剤療法はヤーボイ単剤療法と比較してリスクを45%低減(ハザード比:0.55 [99.5% 信頼区間:0.43-0.76; p<0.0001])しました。最低18カ月の追跡調査において、PFSの中央値はオプジーボとヤーボイの併用療法で11.5カ月(95% 信頼区間:8.9-16.7)およびオプジーボ単剤療法で6.9カ月(95% 信頼区間:4.3-9.5)に対し、ヤーボイ単剤療法では2.9カ月(95% 信頼区間:2.8-3.4)でした。18カ月時点の無増悪生存率は、併用療法で46%(ハザード比:0.42 [99.5% 信頼区間: 0.31-0.57; p<0.00001])およびオプジーボ単剤療法で39%(ハザード比:0.55 [99.5% 信頼区間:0.43-0.76; p<0.00001])に対し、ヤーボイ単剤療法では14%でした。
オプジーボとヤーボイの併用療法とオプジーボ単剤療法は、ヤーボイ単剤療法(ORR:19%)と比較してより高いORRを示しました(ORR:併用療法58% 、オプジーボ単剤療法44% [各々、p<0.0001])。併用療法を受けた患者のうち、38例(12%)が完全奏効を達成し、143例(46%)が部分奏効を達成しました。オプジーボ単剤療法群では、31例(10%)が完全奏効、107例(34%)が部分奏効を達成しました。これに対し、ヤーボイ単剤療法を受けた患者では、完全奏効は7例(2%)、部分奏効は53例(17%)でした。オプジーボとヤーボイの併用療法群において奏効期間の中央値は未達、オプジーボ単剤療法群では22.3カ月、ヤーボイ単剤療法群では14.4カ月でした。本試験では、オプジーボとヤーボイの併用療法群およびオプジーボ単剤療法群で腫瘍の大きさの変化が認められました。腫瘍縮小の中央値は併用療法群で51.9%、オプジーボ単剤療法群で34.5%であったのに対し、ヤーボイ単剤療法群では腫瘍が5.9%増大しました。
CheckMate -067試験の事前に計画された記述的解析データでは、オプジーボ単剤療法と比較したオプジーボとヤーボイの併用療法のPFSのより大幅な延長は、PD-L1発現率が低い患者でのみ認められました。ORRは、PD-L1発現レベルにかかわらず、オプジーボ単剤療法よりもオプジーボとヤーボイの併用療法で高くなりました。加えて、オプジーボとヤーボイの併用療法およびオプジーボ単剤療法の有効性は、BRAF変異状態にかかわらず認められました。
これまでより長期の追跡調査においても、CheckMate -067試験におけるオプジーボとヤーボイの併用療法の安全性プロファイルは、これまでに報告された同併用療法の試験と一貫していました。治療に関連した特定の有害事象(AE)の大半は、免疫抑制剤によって管理されました。グレード3~4の治療に関連するAEは、オプジーボ単剤療法群(19.8%)およびヤーボイ単剤療法群(27%)よりも、併用療法群(56.5%)で多く報告されました。投与の中止につながったグレードを問わない治療に関連するAEは、併用療法群の38.7%、オプジーボ単剤療法群の10.5%、ヤーボイ単剤療法群の15.4%で報告されました。オプジーボとヤーボイの併用療法群で、治療に関連した死亡は報告されませんでした。併用療法群およびヤーボイ単剤療法群で最も一般的に報告されたグレードを問わない治療に関連する特定のAEは、ALT上昇(併用療法群17.9% vs ヤーボイ単剤療法群3.9%)、AST上昇(同15.7% vs 3.9%)、下痢(同45.4% vs 33.8%)、大腸炎(同11.5% vs 11.3%)、発疹(同28.4% vs 21.2%)、そう痒症(同35.1% vs 36.3%)、甲状腺機能低下症(同16% vs 4.5%)、甲状腺機能亢進症(同10.2% vs 1%)、血清クレアチニン上昇(同4.2% vs 1.6%)、肺臓炎(同6.7% vs 1.6%)でした。
CheckMate -069試験について
CheckMate -069 試験は、未治療で切除不能または転移性の悪性黒色腫患者142例を対象に、オプジーボとヤーボイの併用療法(95例)とヤーボイの単剤療法(47例)を比較評価した第Ⅱ相無作為化二重盲検臨床試験です。本試験には、BRAF野生型とBRAF V600変異陽性の双方の悪性黒色腫患者が組み入れられました。BRAF変異の状態を層別因子として無作為化が行われました。主要評価項目は、BRAF野生型患者の奏効率(ORR)でした。副次評価項目は、BRAF野生型患者における無増悪生存期間(PFS)、BRAF V600変異陽性患者におけるORR、および安全性でした。全生存期間(OS)は、探索的評価項目でした。
最低2年の追跡調査における事後解析において、治療に関連する有害事象(AE)によりオプジーボとヤーボイの併用療法の投与を中止した患者群(35例)のOSおよびORRは、本試験の全患者群と一貫していました。AEによりオプジーボとヤーボイの併用療法の投与を中止した患者群の2年生存率は71%でした。全患者群の当初の探索的解析では、生存率はオプジーボとヤーボイの併用療法群で64%、ヤーボイ単剤療法群では54%でした(ハザード比=0.74 [95% 信頼区間:0.43-1.26])。
本試験の全患者群およびAEによりオプジーボとヤーボイの併用療法の投与を中止した患者のサブグループにおいて、PFSの中央値は未達でした。また、事後解析により、治療に関連するAEによりオプジーボとヤーボイの併用療法による投与を中止した患者群の2年無増悪生存率は52%でした(95% 信頼区間:NR; 7.03-NR)。当初の探索的解析で認められた2年無増悪生存率は、併用療法群の全患者で51%(95% 信頼区間:NR; 7.36-NR)、ヤーボイ単剤療法群で12%でした。
オプジーボとヤーボイの併用療法の投与を中止した患者群のORRは66%(95% 信頼区間:48-81)であり、20%が完全奏効を達成しました。当初の探索的解析で認められたORRは59%(95% 信頼区間:48-69)であり、22%が完全奏効を達成しました。両群とも、奏効期間の中央値は未達であり、全患者群の80%およびAEにより併用療法の投与を中止した患者群の74%で奏効が継続中でした。また、探索的解析では、オプジーボとヤーボイの併用療法による投与を中止した患者群の腫瘍縮小の中央値は69%でした。
投与の中止につながる治療に関連する有害事象(AE)の発生率は、これまでに報告されたCheckMate -069試験の結果と一貫していました。オプジーボとヤーボイの併用療法群で最も一般的に報告されたグレードを問わない治療に関連する特定のAEは、発疹(43%)、そう痒症(40%)、下痢(45%)、大腸炎(18%)、ALT上昇(26%)、AST上昇(28%)、甲状腺機能低下症(17%)、下垂体炎(13%)、肺臓炎(10%)、血清クレアチニン上昇(2%)でした。
進行期悪性黒色腫(メラノーマ)について
悪性黒色腫(メラノーマ)は、皮膚にある色素産生細胞(メラノサイト)の無秩序な増殖を特徴とする皮膚がんの一形態です。転移性悪性黒色腫は、この疾患の中でも最も致死性が高く、皮膚表面だけでなく、リンパ節、肺、脳、その他の部位など、他の臓器にもがんが転移した状態です。悪性黒色腫は、早期の段階で治療すれば大部分が治癒可能です。しかし、進行期では、米国における5年生存率は平均15-20%です。
ブリストル・マイヤーズ スクイブ社と腫瘍免疫領域:最新のがん研究の進歩
ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は、がん治療の未来に関し、腫瘍免疫領域に対象を絞ったビジョンを持っています。腫瘍免疫領域は現在、特定のがんに対し、手術、放射線療法、化学療法、標的療法と並ぶ主要な治療選択肢と考えられています。
当社は、研究中および承認済みのがん免疫治療薬からなる包括的な臨床ポートフォリオを有しており、その多くが自社研究員によって創薬・開発されました。腫瘍免疫領域の進行中の臨床プログラムは、全生存期間や奏効期間その他の重要な評価項目について試験を行うことを目的として、複数の固形がんから血液悪性腫瘍までを含むさまざまな治療段階と組織構造にわたる幅広い患者群を対象としています。当社は、研究をリードしており、2 つのがん免疫治療薬の併用療法について初めて規制当局の承認を取得しました。今後も、がんにおける併用療法の役割についての研究を継続します。
現在、CTLA-4、CD-137、KIR、SLAMF7、PD-1、GITR、CSF1R、IDO および LAG-3 を含め、がん治療の他の免疫系経路についても研究を進めています。これらの経路は、併用または単剤で、さまざまながんと闘う患者さんをサポートする新たな治療選択肢となる可能性を秘めています。
学術界や大小のバイオテクノロジー企業と提携し、新たな治療選択肢を臨床現場に提供することを目的として、がん免疫治療薬とその他の治療薬との併用療法の研究も行っています。
ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は、治療困難ながん腫における生存期間の向上とがん患者さんの生活の質の向上に取り組んでいます。
オプジーボについて
がん細胞は、チェックポイント経路などの「制御」経路を悪用して免疫系から身を隠し、腫瘍が免疫系から攻撃されないようにします。オプジーボは、活性T細胞に発現するチェックポイント受容体PD-1に結合するPD-1免疫チェックポイント阻害薬であり、PD-L1とPD-L2の結合をブロックし、抗腫瘍免疫応答の阻害を含む免疫系におけるPD-1経路の抑制シグナルを防止します。
オプジーボの広範なグローバル開発プログラムは、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社の、がん免疫療法の背後にある生物学への理解に基づいています。当社は、研究の最前線に立ち、がん免疫治療の可能性を探り、治療困難ながんにおける生存期間の延長を目指して取り組んでいます。この科学的専門知識は、様々ながん腫に対し全生存期間を主要評価項目として実施されている多岐にわたる第Ⅲ相臨床試験などのオプジーボの開発プログラムの基盤となっています。オプジーボの臨床試験は、臨床的かつ科学的にバイオマーカーの役割を理解すること、PD-L1の発現によりオプジーボが患者にどのような利益をもたらすかを理解することに役立っています。今日に至るまで、オプジーボの臨床試験プログラムには、18,000人以上の患者が参加しています。
オプジーボは、2014年7月に世界で初めて承認を取得した PD-1 免疫チェックポイント阻害剤で、現在、米国、日本、EU を含め51カ国で当局から承認されています。
米国FDAが承認したオプジーボ®の適応症
※本項目の内容は米国での承認に際しての情報であり、日本国内には適用されません。
オプジーボ®(ニボルマブ)は、単剤療法として、BRAF V600 野生型の切除不能または転移性の悪性黒色腫患者を適応としています。
オプジーボ®(ニボルマブ)は、単剤療法として、BRAF V600 変異陽性で切除不能または転移性の悪性黒色腫患者を適応としています。この適応は、無増悪生存期間に基づき、迅速審査により承認されました。この適応の承認の継続条件は、検証試験において臨床的有用性を証明し記載することです。
オプジーボ®(ニボルマブ)は、ヤーボイ®(イピリムマブ)との併用療法として、切除不能または転移性の悪性黒色腫患者を適応としています。この適応は、無増悪生存期間に基づき、迅速審査により承認されました。この適応の承認の継続条件は、検証試験において臨床的有用性を証明し記載することです。
オプジーボ®(ニボルマブ)は、プラチナ製剤による化学療法での治療中または治療後に進行が認められた進行・再発の非小細胞肺がん患者(NSCLC)を適応としています。EGFR 変異または ALK 転座を有する患者さんは、オプジーボによる治療の前に、これらの異常に対してFDA が承認した治療を行い、病勢進行が認められた場合に限られます。
オプジーボ®(ニボルマブ)は、血管新生阻害薬での治療歴を有する進行期腎細胞がん(RCC)患者の治療を適応としています。
オプジーボ®(ニボルマブ)は、自家造血幹細胞移植(HSCT)および移植後のブレンツキシマブ ベ ドチンによる治療後に再発または進行した古典的ホジキンリンパ腫(cHL)を適応としています。この適応は、奏効率に基づき、迅速審査により承認されました。この適応の承認の継続条件は、検証試験において臨床的有用性を証明し記載することです。
Checkmate 試験で評価した患者集団の概要については「重要な安全性情報」セクションの末尾を参 照してください。
重要な安全性情報
※本項目の内容は米国での承認に際しての情報であり、日本国内には適用されません。
警告:免疫介在性副作用
ヤーボイを使用すると、重度かつ致死的な免疫介在性副作用が起こる可能性があります。このような免疫介在性反応は、どの器官系でも起こり得ますが、最も一般的に見られる重度の免疫介在性副作用は、腸炎、肝炎、皮膚炎(中毒性表皮壊死融解症など)、神経障害および内分泌障害です。これらの免疫介在性反応の大部分は治療中に発現しましたが、ヤーボイ使用中止後、数週間から数カ月経って発現する例も少数見られました。
患者について、ベースライン時と毎回の投与前に、腸炎、皮膚炎、神経障害、および内分泌障害の徴候や症状がないかどうかを評価し、肝機能検査(LFTs)、副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)レベル、および甲状腺機能検査を含む生化学検査の評価を行う必要があります。
重度の免疫介在性反応が認められた場合には、ヤーボイを完全に中止し、高用量の副腎皮質ホルモン剤の全身投与を開始する必要があります。
免疫介在性肺臓炎
- オプジーボの投与に関連し、致死的なケースを含む免疫介在性肺臓炎が報告されました。固形がんを対象とした臨床試験において、致死的な免疫介在性肺臓炎が報告されました。また、Checkmate 069試験では6例が呼吸器症状が回復することなく死亡しました。患者に肺臓炎の徴候がないか、X線画像や症状をモニターしてください。グレード2以上の肺臓炎については、副腎皮質ホルモン剤を投与してください。グレード3または4の肺臓炎については、投与を完全に中止し、グレード2に回復するまで投与を中断してください。Checkmate 069試験および067試験において、免疫介在性肺臓炎がオプジーボとヤーボイ併用療法群の6%(407例中25例)で発生し、うち致死例は1例、グレード3は6例、グレード2は17例、グレード1は1例でした。Checkmate 037試験、066試験および067試験において、免疫介在性肺臓炎がオプジーボ投与群の1.8%(787例中14例)で発生しました。うちグレード3は2例、グレード2は12例でした。Checkmate 057試験では、間質性肺疾患を含む免疫介在性肺臓炎が3.4%(287例中10例)で発生しました。うちグレード3は5例、グレード2は2例、グレード1は3例でした。Checkmate 025試験では、間質性肺疾患を含む肺臓炎がオプジーボ投与群の5%(406例中21例)、エベロリムス投与群の18%(397例中73例)で報告されました。免疫介在性肺臓炎がオプジーボ投与群の4.4%(406例中18例)で発生しました。うちグレード4は1例、グレード3は4例、グレード2は12例、グレード1は1例でした。Checkmate 205試験および 039試験において、間質性肺疾患を含む肺臓炎がオプジーボ投与群の4.9%(263例中13例)で発生しました。免疫介在性肺臓炎がオプジーボ投与群の3.4%(263例中9例)で発生しました。うちグレード3は1例、グレード2は8例でした。
免疫介在性大腸炎
- 免疫介在性大腸炎がオプジーボの投与により発生する可能性があります。大腸炎の徴候および症状について、患者さんをモニターしてください。グレード2(5日間以上持続した場合)、3または4の大腸炎については、副腎皮質ホルモン剤を投与してください。単剤投与の場合、グレード2または3については、投与を中断してください。グレード4または再発性の大腸炎については、オプジーボの投与を完全に中止してください。ヤーボイとの併用療法の場合、グレード2についてはオプジーボの投与を中断し、グレード3または4、あるいはオプジーボ投与再開に伴う再発については、オプジーボの投与を完全に中止してください。Checkmate 069試験および067試験では、オプジーボとヤーボイ併用療法群の56%(407例中228例)で下痢または大腸炎が発生しました。免疫介在性の大腸炎が26%(407例中107例)で発生しました。うちグレード4は2例、グレード3は60例、グレード2は32例、グレード1は13例でした。Checkmate 037試験、066試験および067試験では、オプジーボ投与群の31%(787例中242例)で下痢または大腸炎が発生しました。免疫介在性大腸炎が4.1%(787例中32例)で発生しました。うちグレード3は20例、グレード2は10例、グレード1は2例でした。Checkmate 057試験では、オプジーボ投与群の17%(287例中50例)で下痢または大腸炎が発生しました。免疫介在性大腸炎が2.4%(287例中7例)で発生しました。うちグレード3は3例、グレード2は2例、グレード1は2例でした。Checkmate 025試験では、オプジーボ投与群の25%(406例中100例)、エベロリムス投与群の32%(397例中126例)で下痢または大腸炎が発生しました。免疫介在性下痢または大腸炎がオプジーボ投与群の3.2%(406例中13例)で発生しました。うちグレード3は5例、グレード2は7例、グレード1は1例でした。Checkmate 205試験および039試験において、オプジーボ投与群の30%(263例中80例)で下痢または大腸炎が発生しました。免疫介在性下痢(グレード3)が患者の1.1%(263例中3例)で発生しました。
- 異なる第Ⅲ相試験でヤーボイ3 mg/kgの投与を受けた患者において、重度、生命を脅かすもの、あるいは致死的(ベースラインを7回以上上回る下痢、発熱、腸閉塞、腹膜刺激症状、グレード3~5)な免疫介在性腸炎が34例(7%)で発生しました。臨床試験全体(511例)でヤーボイを投与された患者において、5例(1%)で腸穿孔が発生し、4例(0.8%)が合併症で死亡し、26例(5%)が重度の腸炎により入院しました。
免疫介在性肝炎
- 免疫介在性肝炎がオプジーボの投与により発生する可能性があります。投与前、および投与期間中は定期的に、肝機能検査値異常がないかどうかモニターしてください。グレード2以上のトランスアミナーゼ上昇については、副腎皮質ホルモン剤を投与してください。グレード2については投与を中断し、グレード3または4の免疫介在性肝炎については投与を完全に中止してください。Checkmate 069試験および067試験において、免疫介在性肝炎がオプジーボとヤーボイ併用療法群の13%(407例中51例)で発生しました。うちグレード4は8例、グレード3は37例、グレード2は5例、グレード1は1例でした。Checkmate 037試験、066試験および067試験において、免疫介在性肝炎がオプジーボ投与群の2.3%(787例中18例)で発生しました。うちグレード4は3例、グレード3は11例、グレード2は4例でした。Checkmate 057試験では、1例(0.3%)で免疫介在性肝炎が発生しました。Checkmate 025試験において、ベースラインと比較した肝機能検査値異常がオプジーボ投与群とエベロリムス投与群で発生し、AST上昇(オプジーボ投与群33% vs エベロリムス投与群39%)、アルカリホスファターゼ上昇(同32% vs 32%)、ALT上昇(同22% vs 31%)、総ビリルビン上昇(同9% vs 3.5%)が報告されました。全身の免疫抑制治療を必要とする免疫介在性肝炎はオプジーボ投与群の1.5%(406例中6例)で発生しました。うちグレード3は5例、グレード2は1例でした。Checkmate 205試験および039試験において、オプジーボ投与群の11%(263例中30例)で肝炎が発生しました。免疫介在性肝炎は3.4%(263例中9例)で発生しました。うちグレード3は7例、グレード2は2例でした。
- 異なる第Ⅲ相試験でヤーボイ3 mg/kgの投与を受けた患者において、重度、生命を脅かすもの、あるいは致死的な肝毒性(ASTまたはALTの上昇が基準値上限(ULN)の5倍超、または総ビリルビン上昇がULNの3倍超、グレード3~5)が8例(2%)発生し、そのうち0.2%で致死的な肝不全、0.4%で入院しました。
免疫介在性皮膚炎
- 異なる第Ⅲ相試験でヤーボイ3 mg/kgの投与を受けた患者において、重度、生命を脅かすもの、あるいは致死的な免疫介在性皮膚炎(スティーブンス・ジョンソン症候群、中毒性表皮壊死融解症、または真皮全層の潰瘍・壊死・水疱・出血の兆候によって悪化した皮疹など、グレード3~5)が13例(2.5%)発生しました。中毒性表皮壊死融解症による死亡が1例(0.2%)発生しました。他に、重度の皮膚炎により、1例が入院しました。
免疫介在性神経障害
- 異なる第Ⅲ相試験でヤーボイ3 mg/kgの投与を受けた患者において、致死的なギランバレー症候群が1例、重度(グレード3)の末梢運動神経障害が1例報告されました。
免疫介在性内分泌障害
- 下垂体炎、副腎機能不全、甲状腺障害、1型糖尿病がオプジーボの投与により発生する可能性があります。投与中および投与後に下垂体炎や副腎機能不全の徴候や症状を、投与前および投与期間中は定期的に甲状腺機能を、および高血糖をモニターしてください。グレード2以上の下垂体炎については、副腎皮質ホルモン剤を投与してください。グレード2または3については投与を中断し、グレード4については投与を完全に中止してください。グレード3または4の副腎機能不全については、副腎皮質ホルモン剤を投与してください。グレード2については投与を中断し、グレード3または4については投与を完全に中止してください。甲状腺機能低下症については、ホルモン補充療法を行ってください。甲状腺機能亢進症をコントロールするためには、内科的治療を開始してください。1型糖尿病については、インスリンを投与してください。グレード3の高血糖症についてはオプジーボの投与を中断し、グレード4の高血糖症については投与を完全に中止してください。
- Checkmate 069試験および067試験において、下垂体炎がオプジーボとヤーボイの併用療法を受けた患者の9%(407例中36例)で発生し、グレード3は8例、グレード2は25例、グレード1は3例でした。Checkmate 037試験、066試験および067試験において、下垂体炎がオプジーボ投与群の0.9%(787例中7例)で発生しました。うちグレード3は2例、グレード2は3例、グレード1は2例でした。Checkmate 025試験において、下垂体炎がオプジーボ投与群の0.5%(406例中2例)で発生しました。グレード3は1例、グレード1は1例でした。Checkmate 069試験および067試験において、副腎機能不全がオプジーボとヤーボイ併用療法群の5%(407例中21例)で発生しました。うちグレード4は1例、グレード3は7例、グレード2は11例、グレード1は2例でした。 Checkmate 037、066試験および067試験において、副腎機能不全がオプジーボの投与を受けた患者の1%(787例中8例)で発生しました。うちグレード3は2例、グレード2は5例、グレード1は1例でした。Checkmate 057試験で副腎機能不全がオプジーボの投与を受けた患者の0.3%(287例中1例)で発生しました。Checkmate 025試験において、副腎機能不全がオプジーボの投与を受けた患者の2.0%(406例中8例)で発生しました。うちグレード3は3例、グレード2は4例、グレード1は1例でした。Checkmate 205試験および039試験において、副腎機能不全(グレード2)がオプジーボ投与群の0.4%(263例中1例)で発生しました。Checkmate 069試験および067試験において、甲状腺機能低下症および甲状腺炎がオプジーボとヤーボイの併用療法群の22%(407例中89例)で発生しました。うちグレード3は6例、グレード2は47例、グレード1は36例でした。甲状腺機能亢進症は8%(407例中34例)で発生し、うちグレード3は4例、グレード2は17例、グレード1は13例でした。Checkmate 037試験、066試験および067試験において、甲状腺機能低下症および甲状腺炎がオプジーボ投与群の9%(787例中73例)で発生しました。うちグレード3は1例、グレード2は37例、グレード1は35例でした。甲状腺機能亢進症はオプジーボ投与群の4.4%(787例中35例)で発生しました。うちグレード3は1例、グレード2は12例、グレード1は22例でした。Checkmate 057試験において、甲状腺炎を含むグレード1または2の甲状腺機能低下症がオプジーボ投与群の7%(287例中20例)で発生し、甲状腺刺激ホルモン上昇がオプジーボ投与群の17%で発生しました。グレード1および2の甲状腺機能亢進症が1.4%(287例中4例)で発生しました。Checkmate 025試験において、甲状腺疾患がオプジーボ投与群の11%(406例中43例)で発生し、うちグレード3が1例、エベロリムス群3.0%(397例中12例)で発生しました。甲状腺機能低下症および甲状腺炎がオプジーボ投与群の8%(406例中33例)で発生し、うちグレード3が2例、グレード2が17例、グレード1が14例でした。甲状腺機能亢進症はオプジーボ投与群の2.5%(406例中10例)で発生し、うちグレード2は5例、グレード1は5例でした。Checkmate 205試験および039試験において、免疫介在性甲状腺機能低下症および甲状腺炎がオプジーボ投与群の12%(263例中32例)で発生し、うちグレード2は18例、グレード1は14例でした。甲状腺機能亢進症がオプジーボ投与群の1.5%(263例中4例)で発生し、うちグレード2は3例、グレード1は1例でした。Checkmate 069試験および067試験において、糖尿病または糖尿病ケトアシドーシスが1.5%(407例中6例)で発生しました。うちグレード4は3例、グレード3は1例、グレード2は1例、グレード1は1例でした。Checkmate 037試験、066試験および067試験において、糖尿病または糖尿病性ケトアシドーシスがオプジーボ投与群の0.8%(787例中6例)で発生しました。うちグレード3は2例、グレード2は3例、グレード1は1例でした。Checkmate 025試験において、高血糖症の有害事象が9%(406例中37例)で発生しました。糖尿病または糖尿病性ケトアシドーシスがオプジーボ投与群の1.5%(406例中6例)で発生しました。うちグレード3は3例、グレード2は2例、グレード1は1例でした。Checkmate 205試験および039試験において、糖尿病がオプジーボ投与群の0.8%(263例中2例)で発生しました。うちグレード3は1例、グレード1は1例でした。
- 異なる第Ⅲ相試験でヤーボイ3 mg/kgの投与を受けた患者において、重度または生命を脅かす免疫介在性内分泌障害(入院や緊急の医療介入を要するもの、または日常生活に支障を来すもの、グレード3~4)が9例(1.8%)で発生しました。9例すべてに下垂体機能低下症が見られ、一部は、副腎機能不全、性腺機能低下症、甲状腺機能低下症などの内分泌障害を併発していました。9例中6例は、重度の内分泌障害のために入院しました。
免疫介在性腎炎および腎機能障害
- 免疫介在性腎炎がオプジーボの投与により発生する可能性があります。投与前、および投与期間中は定期的に、血清クレアチニン上昇が見られないかどうかモニターしてください。グレード2または3の血清クレアチニン上昇については、投与を中断し、副腎皮質ホルモン剤を投与してください。悪化した場合、または改善が見られない場合は、投与を完全に中止してください。グレード4の血清クレアチニン上昇については、副腎皮質ホルモン剤を投与し、投与を完全に中止してください。Checkmate 069試験および067試験において、免疫介在性腎炎および腎機能障害が2.2%(407例中9例)で発生しました。うちグレード4は4例、グレード3は3例、グレード2は2例でした。Checkmate 037試験、066試験および067試験において、オプジーボ投与群の5%(787例中40例)で腎炎および腎機能障害が発生しました。免疫介在性腎炎および腎機能障害が0.8%(787例中6例)で発生しました。うちグレード3は4例、グレード2は2例でした。Checkmate 057試験において、グレード2の免疫介在性腎機能障害がオプジーボ投与群の0.3%(287例中1例)で発生しました。Checkmate 025試験では、腎損傷がオプジーボ投与群の7%(406例中27例)、エベロリムス投与群の3.0%(397例中12例)で発生しました。免疫介在性腎炎および腎機能障害がオプジーボ投与群の3.2%(406例中13例)で発生しました。うちグレード5は1例、グレード4は1例、グレード3は5例、グレード2は6例でした。Checkmate 205試験および039試験において、腎炎および腎機能障害がオプジーボ投与群の4.9%(263例中13例)で発生しました。これには、グレード3の自己免疫性腎炎が1例(0.3%)含まれていました。
免疫介在性発疹
- 免疫介在性発疹がオプジーボの投与により発生する可能性があります。オプジーボの臨床プログラムにおいて、重度の発疹(致死的な中毒性表皮壊死症のまれなケースを含む)が発生しました。発疹に対して患者さんをモニターしてください。グレード3または4の発疹については、副腎皮質ホルモン剤を投与してください。グレード3については投与を中断し、グレード4については投与を完全に中止してください。Checkmate 069試験および067試験において、免疫介在性発疹がオプジーボとヤーボイ併用療法群の22.6%(407例中92例)で発生しました。うちグレード3は15例、グレード2は31例、グレード1は46例でした。Checkmate 037試験、066試験および067試験において、免疫介在性発疹がオプジーボ投与群の9%(787例中72例)で発生しました。うちグレード3は7例、グレード2は15例、グレード1は50例でした。Checkmate 057試験において、グレード3の4例を含む免疫介在性発疹がオプジーボ投与群の6%(287例中17例)で発生しました。Checkmate 025試験では、発疹がオプジーボ投与群の28%(406例中112例)、エベロリムス投与群の36%(397例中143例)で発生しました。免疫介在性発疹(副腎皮質ホルモン剤を全身または局部的に投与した発疹と定義)がオプジーボ投与群の7%(406例中30例)で発生しました。うちグレード3は4例、グレード2は7例、グレード1は19例でした。Checkmate 205試験および 039試験において、発疹がオプジーボ投与群の22%(263例中58例)で発生しました。免疫介在性発疹がオプジーボ投与群の7%(263例中18例)で発生しました。うちグレード3は4例、グレード2は3例、グレード1は11例でした。
免疫介在性脳炎
- オプジーボの治療に際して、免疫介在性脳炎が発生する可能性があります。中等度から重度の神経疾患の徴候や症状が新たに発現した患者に対しては、オプジーボの投与を中断し、他の原因を排除して評価を行ってください。他の病因が排除された場合は、副腎皮質ホルモン剤を投与し、免疫介在性脳炎に対するオプジーボの投与を完全に中止してください。Checkmate 067試験では、脳炎がオプジーボとヤーボイの併用療法群で1例(0.2%)認められました。Checkmate 057試験では、致死的な辺縁系脳炎がオプジーボ投与群の1例(0.3%)で発生しました。Checkmate 205試験および039試験では、オプジーボによる治療後の同種HSCTの後、脳炎が患者の0.8%(263例中2例)で発生しました。
その他の免疫介在性副作用
- 副作用の重症度に基づき、投与を完全に中止または中断し、高用量の副腎皮質ホルモン剤を投与し、必要に応じてホルモン補充療法を開始してください。オプジーボ投与群の1.0%未満において、以下の免疫介在性副作用が発生しました:ぶどう膜炎、膵炎、顔面および外転神経不全麻痺、脱髄、リウマチ性多発性筋炎、自己免疫性神経障害、ギランバレー症候群、下垂体機能低下症、全身性炎症反応症候群、胃炎、十二指腸炎、サルコイドーシスが発生しました。オプジーボが3 mg/kgと10 mg/kg単剤投与された臨床試験で、臨床的に著しく発生した次の免疫介在性副作用が確認されました:運動機能障害、血管炎および筋無力症候群。
インフュージョン・リアクション
- 重度のインフュージョン・リアクションは、オプジーボの臨床試験において患者の1%未満で報告されています。グレード3または4のインフュージョン・リアクションについては、オプジーボの投与を中止してください。グレード1または2については、中断するか、もしくは投与速度を低下してください。Checkmate 069試験および067試験において、インフュージョン関連のリアクションがオプジーボとヤーボイ併用療法群の2.5%(407例中10例)で発生しました。グレード2は6例、グレード1は4例でした。Checkmate 037試験、066試験および067試験において、インフュージョン関連のリアクションがオプジーボ投与群の2.7%(787例中21例)で発生しました。グレード3は2例、グレード2は8例、グレード1は11例でした。Checkmate 057試験では、副腎皮質ホルモン剤の投与が必要なグレード2のインフュージョン・リアクションがオプジーボ投与群の1.0%(287例中3例)で発生しました。Checkmate 025試験では、過敏症/インフュージョン関連リアクションがオプジーボ投与群の6%(406例中25例)、エベロリムス投与群の1.0%(397例中4例)で発生しました。Checkmate 205試験および039試験において、過敏症/インフュージョン関連のリアクションがオプジーボ投与群の16%(263例中42例)で発生しました。うちグレード3は2例、グレード2は24例、グレード1は16例でした。
オプジーボによる治療後の同種HSCTの合併症
- オプジーボによる治療後に同種HSCTを受けた患者において、致死的な事象を含む合併症が発生しました。Checkmate 205試験および039試験から、オプジーボによる治療の中止後に同種HSCTを受けた患者17例(毒性軽減前処置15例、骨髄破壊的前処置2例)の転帰が評価されました。患者の35%(17例中6例)がオプジーボによる治療後の同種HSCTの合併症により死亡しました。重度または再発の移植片対宿主病(GVHD)により、5例が死亡しました。グレード3以上の急性GVHDが患者の29%(17例中5例)で報告されました。超急性GVHDは患者の20%(2例)で報告されました。感染原因が特定されないステロイド投与を必要とする発熱性症候群が患者の35%(6例)で報告されました。脳炎が2例報告され、うち感染原因が特定されないグレード3のリンパ性脳炎が1例、グレード3のウィルス性脳炎の疑いが1例でした。肝静脈閉塞性疾患(VOD)が、毒性軽減前処置による同種HSCTを受けた患者1例で発生し、GVHDおよび多臓器不全により死亡しました。毒性軽減前処置による同種HSCT後の肝VODの他の事象が、移植前にPD-1受容体阻害薬の投与を受けたリンパ腫の患者で報告されています。超急性GVHDによる死亡例も報告されています。これらの合併症は、PD-1阻害薬の投与と同種HSCT間の介入治療にかかわらず発生する可能性があります
- 超急性GVHD、重度(グレード3~4)の急性GVHD、ステロイド投与を必要とする発熱性症候群、肝VOD、その他の免疫介在性副作用などの移植に関連した合併症の早期の兆候について、注意して患者の経過観察を行い、速やかに処置してください。
胚・胎児毒性
- 作用機序に基づき、オプジーボおよびヤーボイは、妊婦に投与すると胎児に悪影響を及ぼす可能性があります。妊娠中の女性には、胎児へのリスクを説明してください。妊娠の可能性がある女性には、オプジーボまたはヤーボイを含む併用療法の投与を受けている期間、および最後にオプジーボを投与してから少なくとも5カ月間は、効果的な避妊法を用いるよう助言してください。
授乳
- オプジーボまたはヤーボイの母乳中への移行については確認されていません。抗体を含む多くの薬剤は母乳に移行します。オプジーボを含む治療は、授乳中の乳児に重篤な副作用を引き起こす可能性があるため、治療中は授乳を中止するよう助言してください。ヤーボイでの治療中や最終の投与後3カ月間は授乳を中止するよう助言してください。
重篤な副作用
- Checkmate 067試験において、オプジーボとヤーボイの併用療法群において、オプジーボ単剤療法群と比較して、重篤な副作用(併用療法群73%に対し、単剤療法群37%)、投与の完全な中止につながった副作用(同43% vs 14%)、投与の遅延(同55% vs 28%)、およびグレード3または4の副作用(同72% vs 44%)のそれぞれでより多く認められました。オプジーボとヤーボイの併用療法群とオプジーボ単剤療法群で最も多く(10%以上)認められた重篤な副作用はそれぞれ、下痢(併用療法群13%に対し、単剤療法群2.6%)、大腸炎(同10% vs 1.6%)、および発熱(同10% vs 0.6%)でした。Checkmate 037試験において、オプジーボ投与群の41%で重篤な副作用が報告されました。グレード3または4の副作用は、オプジーボ投与群の42%で報告されました。オプジーボ投与群の2%以上5%未満で最も多く報告されたグレード3または4の副作用は、腹痛、低ナトリウム血症、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)上昇、リパーゼ上昇でした。 Checkmate 066試験において、オプジーボ投与群の36%で重篤な副作用が報告されました。グレード3または4の副作用は、オプジーボ投与群の41%で報告されました。オプジーボ投与群の2%以上で最も多く報告されたグレード3または4の副作用は、ガンマグルタミルトランスフェラーゼ上昇(3.9%)および下痢(3.4%)でした。Checkmate 057試験において、オプジーボ投与群の47%で重篤な副作用が報告されました。2%以上で最も多く報告された重篤な副作用は、肺炎、肺塞栓症、呼吸困難、胸水、呼吸不全でした。Checkmate 025試験において、オプジーボ投与群の47%で重篤な副作用が報告されました。2%以上で最も多く報告された重篤な副作用は、急性腎損傷、胸水、肺炎、下痢、高カルシウム血症でした。Checkmate 205試験および039試験において、全患者(安全性解析対象患者263例)のうち、投与の中止につながった副作用(4.2%)および投与の遅延につながった副作用(23%)が報告されました。患者の1%以上で最も多く報告された重篤な副作用は、インフュージョン・リアクション、肺炎、胸水、発熱、発疹、および肺臓炎でした。患者10例が病勢進行以外の原因によって死亡し、うち6例が同種HSCTの合併症により死亡しました。重篤な副作用は、安全性解析対象患者(263例)の21%、有効性評価の対象となった患者のサブセット(有効性解析対象患者95例)の27%で発生しました。
一般的な副作用
- Checkmate 067試験において、オプジーボとヤーボイ併用療法群で最も一般的に(20%以上)報告された副作用は、疲労(59%)、発疹(53%)、下痢(52%)、悪心(40%)、発熱(37%)、嘔吐(28%)、呼吸困難(20%)でした。オプジーボ投与群で最も一般的に(20%以上)報告された副作用は、疲労(53%)、発疹(40%)、下痢(31%)、悪心(28%)でした。Checkmate 037試験において、オプジーボ投与群で最も一般的に(20%以上)報告された副作用は、発疹(21%)でした。Checkmate 066試験において、オプジーボ投与群とダカルバジン投与群で最も一般的に(20%以上)報告された副作用は、疲労(オプジーボ投与群49%に対し、ダカルバジン投与群39%)、筋骨格痛(同32% vs 25%)、発疹(同28% vs 12%)、およびそう痒症(同23% vs 12%)でした。Checkmate 057試験において、オプジーボ投与群で最も一般的に(20%以上)報告された副作用は、疲労(49%)、筋骨格痛(36%)、咳(30%)、食欲減退(29%)、便秘(23%)でした。Checkmate 025試験において、オプジーボ投与群とエベロリムス投与群で最も一般的に(20%以上)報告された副作用は、無力症(オプジーボ投与群56% vs エベロリムス投与群57%)、咳(同34% vs 38%)、悪心(同28% vs 29%)、発疹(同28% vs 36%)、呼吸困難(同27% vs 31%)、下痢(同25% vs 32%)、便秘(同23% vs 18%)、食欲減退(同23% vs 30%)、背部痛(同21% vs 16%)、関節痛(同20% vs 14%)でした。Checkmate 205試験および039試験の全患者(安全性解析対象患者263例)および有効性解析対象患者のサブセット(95例)において、最も一般的に(少なくとも20%以上)報告された副作用は、疲労(全患者32% vs サブセット43%)、上気道感染症(同28% vs 48%)、発熱(同24% vs 35%)、下痢(同23% vs 30%)、咳(同22% vs 35%)でした。有効性解析対象患者のサブセット(95例)において、最も一般的に報告された副作用は、発疹(31%)、筋骨格痛(27%)、そう痒症(25%)、悪心(23%)、関節痛(21%)、末梢神経障害(21%)でした。
- 異なるヤーボイ3 mg/kg投与の第Ⅲ相試験で、ヤーボイ3 mg/kgの投与を受けた患者において最も一般的(5%以上)に報告された副作用は、疲労(41%)、下痢(32%)、そう痒症(31%)、発疹(29%)、大腸炎(8%)でした。
Checkmate試験と患者集団
- Checkmate 069試験および067試験:進行期悪性黒色腫、オプジーボ単剤またはヤーボイとの併用
- Checkmate 037試験および066試験:進行期悪性黒色腫
- Checkmate 057試験:非扁平上皮非小細胞肺がん(NSCLC)
- Checkmate 025試験:腎細胞がん
- Checkmate 205/039試験:古典的ホジキンリンパ腫
ブリストル・マイヤーズ スクイブ社と小野薬品工業の提携について
2011年、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は、小野薬品工業と締結した提携契約により、当時、小野薬品工業がすべての権利を保有していた北米以外の地域のうち、日本、韓国、台湾を除く世界各国におけるオプジーボの開発・商業化に関する権利を獲得しました。2014年7月23日、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社と小野薬品工業は、この戦略的提携契約をさらに拡張し、日本、韓国、台湾のがん患者さん向けに複数の免疫療法薬を単剤療法および併用療法として共同開発・商業化することを合意しました。
ブリストル・マイヤーズ スクイブ社について
ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は、深刻な病気を抱える患者さんを助けるための革新的な医薬品を開発し、提供することを使命とするグローバルなバイオファーマ製薬企業です。ブリストル・マイヤーズ スクイブ社に関する詳細については、BMS.comをご覧くださるか、LinkedIn、Twitter、YouTubeおよびFacebookをご覧ください。
ブリストル・マイヤーズ スクイブ社の将来予測等に関する記述
本プレスリリースは、医薬品の研究、開発および商業化について、1995年民間有価証券訴訟改正法の趣旨の範疇に含まれる「将来予測に関する記述」を含んでいます。そうした将来予測に関する記述は現在の予想に基づくものであり、遅延、転換または変更を来たす内在的リスクと不確実性を伴っており、実際の成果または業績が現在の予想と大きく異なる結果となる可能性があります。将来予測に関するいかなる記述も保証されるものではありません。本プレスリリースの将来予測に関する記述は、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社の事業に影響を与える多くの不確定要素、特にブリストル・マイヤーズ スクイブ社の2015年12月31日に終了した事業年度通期報告書(Form 10-K)、四半期報告書(Form 10-Q)および当期報告書(Form 8-K)にリスク要因として記されている不確定要素と共に評価されるべきです。ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は、新たな知見、今後の出来事等に因るか否かを問わず、一切の将来予測等に関する記述について、公に更新する義務を負うものではありません。