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プレスリリース

ブリストル・マイヤーズ スクイブ社、オプジーボ®(一般名:ニボルマブ)について、フルオロピリミジン、オキサリプラチンおよびイリノテカンによる治療後に病勢進行したMSI-HまたはdMMRの転移性大腸がんの治療薬としてFDAの承認を取得

ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社

2017/08/03

 

ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社
小野薬品工業株式会社

※本資料は、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社が2017年8月1日に発表しましたプレスリリースの和文抄訳であり、内容につきましては英語原文が優先されます。

 

  • 承認は、フルオロピリミジン、オキサリプラチンおよびイリノテカンによる治療歴を有する患者において、オプジーボが28%(95% 信頼区間:22 - 44; 74例中24例)の奏効率を示したCheckMate -142試験に基づいています1,2

(ニュージャージー州プリンストン、2017年8月1日)-ブリストル・マイヤーズ スクイブ社(NYSE:BMY/本社:米国ニューヨーク/CEO:ジョバンニ・カフォリオ)は、本日、米国食品医薬品局(FDA)が、フルオロピリミジン、オキサリプラチンおよびイリノテカンによる治療後に病勢進行した高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-H)またはミスマッチ修復機構欠損(dMMR)の転移性大腸がん(mCRC)の成人および小児(12歳以上)患者の治療薬として、オプジーボ(一般名:ニボルマブ)点滴静注を承認したことを発表しました2。この適応は、奏効率(ORR)および奏効期間に基づき、迅速承認されました。この適応の承認の継続条件は、検証試験において臨床的有用性を証明し記載することです。推奨用量は240mgで、病勢進行または忍容できない毒性が認められるまで、2週間ごとに60分以上かけて静脈内投与します2。CheckMate -142試験では、フルオロピリミジン、オキサリプラチンおよびイリノテカンによる治療歴を有する患者(74例中53例)において、オプジーボの投与により28%(95% 信頼区間:17 - 42; 53例中15例)の奏効が認められました。完全奏効は1.9%(53例中1例)、部分奏効は26%(53例中14例)でした。これらの奏効患者において、奏効期間の中央値は未達(範囲:2.8+ - 22.1+カ月)でした2。登録された全患者では、オプジーボの奏効率は、32%(95%信頼区間:22 - 44;74例中24例)であり、完全奏効は2.7%(74例中2例)、部分奏効は30%(74例中22例)でした2

オプジーボに関連した「警告および注意」には、次の事象が含まれています:免疫介在性の肺臓炎、大腸炎、肝炎、内分泌障害、腎炎および腎機能障害、皮膚関連副作用、脳炎、その他の副作用、インフュージョンリアクションおよび胎児毒性2

ブリストル・マイヤーズ スクイブ社 米国コマーシャル部門責任者のChris Boernerは、次のように述べています。「治療困難ながんに取り組む当社のコミットメントの一環として、本日オプジーボが承認されたことにより、オプジーボが長年にわたり予後不良とされてきた患者さんにとって新たな治療選択肢となりました3,4,5。この承認は、トランスレーショナルメディシンおよび効果予測バイオマーカーの探索に対する当社のコミットメントが、患者さんそれぞれに特有のニーズを満たす治療アプローチの発見に、いかに結びつき得るかを示す一例であると言えます。」

南カリフォルニア大学、消化器がん研究のJ. Terrence Lanni ChairであるHeinz-Josef Lenz(M.D.、FACP)は、次のように述べています。「dMMRまたはMSI-Hの腫瘍を有する転移性大腸がん患者さんの場合、従来の化学療法に奏効しない可能性が高くなっています3,4,5。これらの患者さんの治療は大きな課題となっていますが、dMMRまたはMSI-Hのバイオマーカーを有する腫瘍は免疫原性を示します3,6。したがって、免疫療法における研究の進展は、適切なMSI-H転移性大腸がん患者さんに新たな治療選択肢を提供する上で励みとなるものです。」

NCCN腫瘍学臨床診療ガイドライン(NCCN Guidelines®)は、転移性疾患の患者に対する免疫療法の使用に関する情報を得るため、結腸または直腸がんの既往歴がある患者全例でMMRまたはMSIの検査を行うことを推奨しています。全米総合がん情報ネットワーク®(NCCN®)の委員は、ニボルマブ(オプジーボ)をdMMRまたはMSI-Hの転移性大腸がん患者の二次治療および三次治療におけるカテゴリー2Aの治療選択肢として推奨しました7

 

顕著な奏効率および奏効期間に基づく承認


CheckMate -142試験は、各医療機関でdMMRまたはMSI-Hと判定されたmCRC患者で、フルオロピリミジン、オキサリプラチンまたはイリノテカンを含む化学療法の治療中または治療後に病勢進行した、もしくは治療に忍容性がなかった患者を対象にオプジーボを評価した、多施設共同非盲検単群第Ⅱ相臨床試験です1,2。本試験では、患者74例にオプジーボ3mg/kgを2週間ごとに静脈内投与しました2。推奨用量は240mgで、病勢進行または忍容できない毒性が認められるまで、2週間ごとに60分以上かけて静脈内投与します2。患者74例中、72%の患者がフルオロピリミジン、オキサリプラチンおよびイリノテカンの投与を受けていました。有効性の評価項目には、独立放射線評価委員会の評価による確定ORR(RECIST 1.1に基づく)および奏効期間が含まれました2。患者の過半数(51%)が、BRAF変異(16%)またはKRAS変異(35%)を有していました2

本試験において、フルオロピリミジン、オキサリプラチンおよびイリノテカンによる治療歴を有する患者において、オプジーボのORRは28%(95% 信頼区間:17 - 42; 53例中15例)であり、完全奏効は1.9%(53例中1例)、部分奏効は26%(53例中14例)でした。これらの患者における奏効期間の中央値は未達(範囲:2.8+ - 22.1+カ月)でした2。登録された全患者では、オプジーボの奏効率は、32%(95%信頼区間:22 - 44; 74例中24例)であり、完全奏効は2.7%(74例中2例)、部分奏効は30%(74例中22例)でした2。奏効期間の中央値は未達(範囲:1.4+ - 26.5+カ月)でした2。CheckMate -142試験のデータは、本年7月にThe Lancet Oncology誌に掲載されました。

大腸がん連盟(Colon Cancer Alliance)会長のMichael Sapienzaは、次のように述べています。「米国で3番目に多いがん腫である大腸がん、特にdMMRまたはMSI-Hの転移性疾患の患者さんは、新しい研究や治療法を必要としていました8。これらの大腸がん患者さんにとってオプジーボの承認は、この疾患のコミュニティに、より希望をもたらすことでしょう。」

 

安全性プロファイルの抜粋


オプジーボ単剤療法を受けた患者において、最も一般的に(20%以上)報告された副作用は、疲労、発疹、筋骨格痛、そう痒症、下痢、悪心、無力症、咳嗽、呼吸困難、便秘、食欲減退、背部痛、関節痛、上気道感染症、発熱でした2

 

dMMRまたはMSI-Hの大腸がんについて


大腸がん(CRC)は、身体の消化器系の一部である結腸または直腸に発生するがんです9。米国では、CRCは3番目に多いがん腫であり、2017年には、約135,000人が新たに診断され、男女を合わせたがんによる死亡原因の第2位を占めると推定されています8,10。転移性CRC患者の約5%において、ミスマッチ修復機構欠損(dMMR)または高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-H)のバイオマーカーが認められます3

ミスマッチ修復機構欠損は、DNA複製時のミスマッチエラーを修復するプロテインが欠損または機能していない場合に生じ、CRCを含む特定のがん腫において、MSI-Hの腫瘍が発生する原因となります5,11。dMMRまたはMSI-Hの転移性CRC患者は、従来の化学療法でベネフィットを得られない場合が多く、一般的に予後不良です3,4,5。dMMRまたはMSI-Hの状態を確認するためには、全ての転移性CRC患者に対して定期検査を行う必要があります。

 

適応症について


オプジーボ®(ニボルマブ)は、フルオロピリミジン、オキサリプラチンおよびイリノテカンによる治療後に病勢進行した高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-H)またはミスマッチ修復機構欠損(dMMR)の転移性大腸がん(CRC)の成人および小児(12歳以上)患者を適応としています。この適応は、奏効率および奏効期間に基づき、迅速審査により承認されました。この適応の承認の継続条件は、検証試験において臨床的有用性を証明し記載することです。

 

オプジーボ®の適応症および安全性情報について


米国でのオプジーボの適応症および安全性情報については、こちらから原文リリースをご参照ください。

 

オプジーボの臨床開発プログラム


ブリストル・マイヤーズ スクイブ社のグローバル開発プログラムは、がん免疫療法における科学的知見に基づいており、さまざまながん腫を対象に、第Ⅲ相を含む全開発段階において、オプジーボの広範な臨床試験が実施されています。今日に至るまで、オプジーボの臨床開発プログラムには、25,000人以上の患者さんが参加しています。

 

ブリストル・マイヤーズ スクイブ社と小野薬品工業の提携について


2011年、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は、小野薬品工業と締結した提携契約により、当時、小野薬品工業がすべての権利を保有していた北米以外の地域のうち、日本、韓国、台湾を除く世界各国におけるオプジーボの開発・商業化に関する権利を獲得しました。2014年7月、小野薬品工業とブリストル・マイヤーズ スクイブ社は、この戦略的提携契約をさらに拡張し、日本、韓国、台湾のがん患者さん向けに複数の免疫療法薬を単剤療法および併用療法として共同開発・商業化することを合意しました。

 

ブリストル・マイヤーズ スクイブ社について


ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は、深刻な病気を抱える患者さんを助けるための革新的な医薬品を開発し、提供することを使命とするグローバルなバイオファーマ製薬企業です。ブリストル・マイヤーズ スクイブ社に関する詳細については、BMS.comをご覧くださるか、LinkedInTwitterYouTubeおよびFacebookをご覧ください。

 

ブリストル・マイヤーズ スクイブ社の将来予測等に関する記述


本プレスリリースは、医薬品の研究、開発および商業化について、1995年民間有価証券訴訟改正法の趣旨の範疇に含まれる「将来予測に関する記述」を含んでいます。そうした将来予測に関する記述は現在の予想に基づくものであり、遅延、転換または変更を来たす内在的リスクと不確実性を伴っており、実際の成果または業績が現在の予想と大きく異なる結果となる可能性があります。将来予測に関するいかなる記述も保証されるものではありません。本プレスリリースの将来予測に関する記述は、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社の事業に影響を与える多くの不確定要素、特にブリストル・マイヤーズ スクイブ社の2016年12月31日に終了した事業年度通期報告書(Form 10-K)、四半期報告書(Form 10-Q)および当期報告書(Form 8-K)にリスク要因として記されている不確定要素と共に評価されるべきです。ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は、新たな知見、今後の出来事等に因るか否かを問わず、一切の将来予測等に関する記述について、公に更新する義務を負うものではありません。

 

参考文献

  1. Data on file. NIVO 287. Princeton, NJ: Bristol-Myers Squibb.
  2. Opdivo Prescribing Information. Opdivo U.S. Product Information. Last updated: March 9, 2017. Princeton, NJ: Bristol-Myers Squibb Company.
  3. Venderbosch S, Nagteagaal ID, Maughan TS, et al. Mismatch repair status and BRAF mutation status in metastatic colorectal cancer patients: A pooled analysis of the CAIRO, CAIRO2, COIN, and FOCUS studies. Clin Cancer Res. 2014;20:5322-5330.
  4. Müller CI, Schulmann K, Reinacher-Schick A, et al. Predictive and prognostic value of microsatellite instability in patients with advanced colorectal cancer treated with a fluoropyrimidine and oxaliplatin containing first-line chemotherapy. A report of the AIO Colorectal Study Group. Int J Colorectal Dis. 2008;23:1033-1039
  5. Koopman M, Kortman G, Mekenkamp L, et al. Deficient mismatch repair system in patients with sporadic advanced colorectal cancer. Brit J Cancer. 2009;100:266-273.
  6. Llosa NJ, Cruise M, Tam A, et al. The vigorous immune microenvironment of microsatellite instable colon cancer is balanced by multiple counter-inhibitory checkpoints. Cancer Discov. 2015;5(1):43-51
  7. Benson AB 3rd, Venook AP, Cederquist L, et al. Colon Cancer, Version 2.2017, NCCN Clinical Practice Guidelines in Oncology. J Natl Compr Canc Netw. 2017;15(3):370-398.
  8. American Cancer Society. Colorectal Cancer Facts & Figures 2017-2019. Atlanta: American Cancer Society; 2017.
  9. American Cancer Society. Key Statistics for Colorectal Cancer. https://www.cancer.org/cancer/colon-rectal-cancer/about/key-statistics.html. Accessed March 9, 2017.
  10. National Cancer Institute. Cancer Stat Facts: Colon and Rectum Cancer. Surveillance, Epidemiology, and End Results Program. https://seer.cancer.gov/statfacts/html/colorect.html. Accessed March 9, 2017.
  11. Yacoub, George, Srikanth Nagalla, Mebea Aklilu. Oncologic Management of Hereditary Colorectal Cancer. Clin Colon Rectal Surg. 2012;25:118–122.