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プレスリリース

オプジーボが、治療歴を有する小細胞肺がんの特定の患者に対するほぼ20年ぶりの新薬として米国食品医薬品局の承認を取得

2018/08/20

ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社
小野薬品工業株式会社

※本資料は、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社が2018年8月17日に発表しましたプレスリリースの和文抄訳であり、内容につきましては英語原文が優先されます。原文リリースは、下記のURLからご参照ください。
https://www.bms.com/media/press-releases.html

  • オプジーボは、プラチナ製剤による化学療法および1種類以上の前治療歴を有する小細胞肺がん(SCLC)患者に対して承認された初めてのがん免疫療法薬です。
  • 承認は、第Ⅰ/Ⅱ相CheckMate -032試験のSCLCコホートの奏効率および奏効期間に基づいています1

(ニュージャージー州プリンストン、2018年8月17日)-ブリストル・マイヤーズ スクイブ社(NYSE:BMY/本社:米国ニューヨーク/CEO:ジョバンニ・カフォリオ)は、本日、オプジーボ(一般名:ニボルマブ)が、プラチナ製剤による化学療法および1種類以上の前治療後に病勢進行した転移性小細胞肺がん(SCLC)患者に対する初めてかつ唯一のがん免疫療法薬の治療選択肢として、米国食品医薬品局(FDA)の承認を取得したことを発表しました1。同適応は、奏効率(ORR)および奏効期間(DOR)に基づき、迅速承認されました。この適応の承認の継続条件は、検証試験において臨床的有用性を証明し記載することです1

ブリストル・マイヤーズ スクイブ社の胸部悪性腫瘍担当開発責任者であるSabine Maier(M.D.)は、次のように述べています。「ブリストル・マイヤーズ スクイブは、より持続的な奏効をもたらす可能性のあるがん治療法を患者さんに提供する重大な必要性を認識しています。小細胞肺がんのように、治療困難で悪性度の高いがんに対しては特にそうです2。今回の承認は、胸部悪性腫瘍の領域にがん免疫療法薬をもたらしてきた当社の実績に基づいており、有効な新しい治療選択肢を一日も早く必要とする患者さんに対する革新的医薬品をお届けするという、当社のコミットメントを強化するものです。」

オプジーボの「警告および注意」には、次の事象が含まれています:免疫介在性肺臓炎、免疫介在性大腸炎、免疫介在性肝炎、免疫介在性内分泌障害、免疫介在性腎炎および腎機能障害、免疫介在性皮膚関連副作用、免疫介在性脳炎、その他の免疫介在性副作用、Infusion reaction、胎児毒性1。詳細については、以下の「重要な安全性情報」の項目をご参照ください。

2種類以上の前治療後に病勢進行したSCLC患者に対するオプジーボの申請は、FDAにより優先審査の対象として受理されました1

承認は、プラチナ製剤による化学療法後に病勢進行した患者を対象にオプジーボを評価した、進行中の第Ⅰ/Ⅱ相CheckMate -032試験のSCLCコホートのデータに基づいています1。プラチナ製剤による化学療法および1種類以上の前治療後に、オプジーボの投与を受けた患者109例のうち、PD-L1発現状態にかかわらず、盲検化された独立中央評価委員会(BICR)の評価において、12%(109例中13例;95% 信頼区間:6.5 - 19.5)で、奏効が認められました1,3。患者12例(11%)が部分奏効、1例(0.9%)が完全奏効でした1,3。奏効が認められた患者において、DORの中央値は17.9カ月(95% 信頼区間:7.9 - 42.1;範囲:3.0 - 42.1カ月)でした3。副作用により、患者の10%でオプジーボの投与が中止され、25%で1回の投与が中断されました1。重篤な副作用が、患者の45%で発現しました1。同適応におけるオプジーボの承認用量は、240mgを2週間間隔で点滴静注し、病勢進行または忍容できない毒性が認められるまで投与します1

ヴァンダービルト大学医療センターの内科准教授、がん研究イングラム准教授、胸部がんプログラムディレクターおよびファカルティ・デベロップメントのアシスタント・バイスチェアマンであるLeora Horn(M.D.、M.Sc.)は、次のように述べています。「がん免疫療法が起こした革新により、特定のがん腫に対する専門医のアプローチは大きく変化しましたが、小細胞肺がんの患者さんにおける進展は限られたものでした。本日のニボルマブの承認は、小細胞肺がん患者さんに対して免疫チェックポイント阻害薬が初めて承認されたものであり、非常に喜ばしいものです。ついに、この深刻な疾患を違った角度から治療することができるようになります1。」

小細胞肺がん(SCLC)は、大きく2種類に分類される肺がんの1つであり、全肺がんの約10~15%を占めます4。SCLCは悪性度が高く、病期が進行するまで症状が発見されない場合も多い疾患です2。2018年には、米国で約27,000人がSCLCと診断されると予想されています5。診断時からの5年生存率は、進展期(ステージIV)のSCLCで約2%です6

LUNGevity Foundation代表兼会長のAndrea Ferrisは、次のように述べています。「小細胞肺がんは、診断から1年未満で大半の患者さんが再発を経験し、特に複数の治療法を受けた患者さんにとっては、非常に治療困難な疾患です7。今回の承認は、この深刻な疾患を抱える患者さんにとって大きなマイルストーンであり、これまでに承認された治療選択肢が他になかった患者さんが、さらなる治療を受ける励みとなる可能性があります。」

 

CheckMate -032試験に基づく承認


CheckMate -032試験は、プラチナ製剤による化学療法後に病勢進行し、オプジーボの単剤療法を受けたSCLC患者245例を含む、多施設共同複数コホート非盲検第Ⅰ/Ⅱ相臨床試験です1,8。有効性は、プラチナ製剤による化学療法および1種類以上の他の前治療後に病勢進行した患者109例に基づいています1。これらの患者は、オプジーボ3mg/kgを60分以上かけて2週間間隔で点滴静注され、PD-L1発現状態にかかわらず組み入れられました1。投与は、病勢進行または忍容できない毒性が認められるまで継続されました。自己免疫疾患、免疫抑制剤の全身投与を必要とする状態、症候性間質性肺疾患、未治療の脳転移を有する患者は、本試験の対象から除外されました1。脳転移の治療を受け、神経学的に安定している患者は対象となりました1

初回の腫瘍評価は、最初の投与から6週間後に実施され、最初の24週間は6週間間隔で、その後は12週間間隔で継続されました1。有効性の主要評価項目は、BICRの評価による確定ORRであり、さらにDORの評価も行われました1。CheckMate -032試験において、オプジーボの投与を受けた患者の投与期間の中央値は、1カ月でした(範囲:0 - 44.2+ カ月)1。オプジーボの投与は、患者の17%で6カ月以上、患者の9%で1年以上継続されました1

 

CheckMate -032試験:安全性プロファイルの抜粋


安全性は、プラチナ製剤による化学療法後に病勢進行したSCLC患者245例で評価されました1。患者の2%以上で最も頻繁に報告された重篤な副作用は、肺炎、呼吸困難、肺臓炎、胸水および脱水でした1。最も多く(20%以上)報告された副作用は、疲労(45%)、食欲減退(27%)、筋骨格痛(25%)、呼吸困難(22%)、悪心(22%)、下痢(21%)、便秘(20%)および咳嗽(20%)でした1,9

 

オプジーボの適応症および安全性情報について


米国でのオプジーボの適応症および安全性情報については、原文リリースをご参照ください。

 

ブリストル・マイヤーズ スクイブ社とがん免疫療法:オンコロジー研究の最前線


リストル・マイヤーズ スクイブ社は、患者さんを全ての活動の中心に据えています。当社は、がん治療の未来に関し、がん免疫療法(I-O)による治療アプローチを含め、治療困難ながん患者さんの予後を改善する革新的な医薬品の研究開発に焦点を置いたビジョンを持っています。

当社は、腫瘍細胞および免疫系経路への一体的な科学的理解の進展をリードしており、研究中の化合物および承認済みの医薬品からなる広範囲に及ぶポートフォリオを有しています。臨床開発プログラムにおいては、50以上のがん腫にわたる幅広い患者集団を対象に、様々な免疫系経路を標的とする24種類の分子について臨床研究を進めています。当社は、深い専門知識と革新的な臨床試験デザインにより、複数のがん腫において、I-O/I-O、I-O/化学療法、I-O/分子標的薬およびI-O/放射線療法といった併用療法を進歩させ、治療法の次なる波を一日も早く実現すべく取り組んでいます。また、免疫バイオマーカーの役割に対する理解を深め、患者さんそれぞれの腫瘍が持つ生物学的特性をいかに治療決定の指針として利用することができるかという研究においても、最前線に立ち続けています。

ベネフィットを得られる可能性がある多くの患者さんにがん免疫療法薬などの革新的医薬品を提供するためには、社内のイノベーションだけでなく、この領域を率いる専門家との密接な協働が不可欠です。当社は、臨床現場での標準治療を上回る新たな治療選択肢を臨床現場に提供することを共通の目標として、学術界、政府、アドボカシー団体、バイオテクノロジー企業と提携しています。

 

ブリストル・マイヤーズ スクイブ社と小野薬品工業の提携について


2011年、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は、小野薬品工業と締結した提携契約により、当時、小野薬品工業がすべての権利を保有していた北米以外の地域のうち、日本、韓国、台湾を除く世界各国におけるオプジーボの開発・商業化に関する権利を獲得しました。2014年7月23日、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社と小野薬品工業は、この戦略的提携契約をさらに拡張し、日本、韓国、台湾のがん患者さん向けに複数の免疫療法薬を単剤療法および併用療法として共同開発・商業化することを合意しました。

 

ブリストル・マイヤーズ スクイブ社について


ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は、深刻な病気を抱える患者さんを助けるための革新的な医薬品を開発し、提供することを使命とするグローバルなバイオファーマ製薬企業です。ブリストル・マイヤーズ スクイブ社に関する詳細については、BMS.comをご覧くださるか、LinkedInTwitterYouTubeおよびFacebookをご覧ください。

 

ブリストル・マイヤーズ スクイブ社の将来予測等に関する記述


本プレスリリースは、医薬品の研究、開発および商業化について、1995年民間有価証券訴訟改正法の趣旨の範疇に含まれる「将来予測に関する記述」を含んでいます。そうした将来予測に関する記述は現在の予想に基づくものであり、遅延、転換または変更を来たす内在的リスクと不確実性を伴っており、実際の成果または業績が現在の予想と大きく異なる結果となる可能性があります。将来予測に関するいかなる記述も保証されるものではありません。本プレスリリースの将来予測に関する記述は、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社の事業に影響を与える多くの不確定要素、特にブリストル・マイヤーズ スクイブ社の2017年12月31日に終了した事業年度通期報告書(Form 10-K)、四半期報告書(Form 10-Q)および当期報告書(Form 8-K)にリスク要因として記されている不確定要素と共に評価されるべきです。ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は、新たな知見、今後の出来事等に因るか否かを問わず、一切の将来予測等に関する記述について、公に更新する義務を負うものではありません。


参考文献

  1. Opdivo Prescribing Information. Opdivo U.S. Product Information. Last Updated: August 2018. Princeton, NJ: Bristol-Myers Squibb Company.
  2. National Cancer Institute. Small Cell Lung Cancer Treatment. Lung Cancer. https://www.cancer.gov/types/lung/hp/small-cell-lung-treatment-pdq. Updated April 20, 2018. Accessed May 30, 2018.
  3. Data on file. NIVO 403. Princeton, NJ:Bristol-Myers Squibb
  4. American Cancer Society. Key Statistics About Small Cell Lung Cancer. https://www.cancer.org/cancer/small-cell-lung-cancer/about/key-statistics.html. Revised January 4, 2018. Accessed May 30, 2018.
  5. Decision Resources Group Epidemiology Data. Burlington, MA: Decision Resources Group.
  6. American Cancer Society. Small Cell Lung Cancer Survival Rates, by Stage. https://www.cancer.org/cancer/small-cell-lung-cancer/detection-diagnosis-staging/survival-rates.html. Accessed May 30, 2018.
  7. Pietanza, C, Byers, L, Minna, J, et al. Small Cell Lung Cancer: Will Recent Progress Lead
  8. ClinicalTrials.gov. A Study of Nivolumab by Itself or Nivolumab Combined With Ipilimumab in Patients With Advanced or Metastatic Solid Tumors (CheckMate -032).https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT01928394?term=NCT01928394&rank=1. Published August 23, 2013. Updated December 7, 2017. Accessed August 1, 2018.
  9. Data on file. NIVO, 414, Princeton, NJ: Bristol-Myers Squibb.