「最初に症状が現れたのは20歳ころでした。頭に赤い湿疹が2、3個できて、最初はアトピー性皮膚炎かなと思っていました」。
そう話してくれた中野さん。すぐに近くの皮膚科へ行き、ステロイド剤を処方してもらいました。しばらくすると症状は治まったそうですが、薬をやめると、またすぐに湿疹ができてしまいました。湿疹はかゆみを伴い、思わずかいてしまうとフケのようなものがポロポロと落ちるのも気になったそうです。中野さんは、近所にある皮膚科を何軒かめぐりましたが、やはり薬は一時的にしか効かず、何度も再発してしまうことに頭を悩ませていました。
「そこで大学病院へ行き、専門医に診てもらうことにしました。遺伝的な検査も含めていろいろと調べてもらい、やっと乾癬がわかったのです。実は、そのときに初めて乾癬という病気を知りました。どんな病気なのかわからず戸惑っていたところ、医師からは『治る病気でないので一生つきあっていきなさい』と言われ、愕然としてしまいました」。
当時は本やインターネットにもあまり情報がなく、乾癬がどのような病気なのかを調べるのにも苦労をしたそうです。そして医療が発達しているにも関わらず、「なぜ治らないのか」と思い悩み、諦めにも近い気持ちを持ったこともありました。