長谷川一男さんの肺がんが見つかったのは、今から13年前のことでした。喫煙の経験はなく、働き盛りの30代後半でしたが、すでにステージ4の肺がんだと診断されました。その状態が受け入れがたく、長谷川さんはいつくもの医療機関を巡り、治療方法を模索してきました。
「手術や投薬など、その時々にできる治療を行ってきました。最後に手術を行ったのは11年前になるのですが、手術の影響や合併症の影響にずっと悩まされていました。それがここ2年位やっと落ち着いてきて、食欲も出てきましたし、だるさを取る薬も飲まなくなりました。おかげさまで、今は体調のいい状態が続いています。最近では、お寺の庭を眺めながらお堂で行う寺ヨガにも参加しているんですよ」
長谷川さんは、ご自身の治療が落ち着いた約8年前に「特定非営利活動法人肺がん患者の会ワンステップ」を立ち上げ、現在も理事長として精力的に活動を行っています。まずは、その立ち上げの経緯を教えていただきました。
「ワンステップを立ち上げたのは2015年です。自分の体調が少し落ち着き、今後の人生は何をしていこうかなと考えました。病気になる前は、マスコミ業界で働いていたので、情報提供をしたり、何かをわかりやすく人に伝えたりというところは、自分の得意分野だと思っています。そこで、それを活かして、がんの分野で何かできないかなと考えて患者会の設立に至りました」